幾重にも重ねた静寂を脱ぎ捨て、
眠っていた熱が、
ゆっくりと目を覚ます。

まだ誰にも触れられていない
柔らかな翅をひらくように、

秘めていた想いは、
ひとひらずつ艶を帯びていく。

やがて殻を抜けたその瞬間、
昨日までの私ではない私が、
夜の気配にそっと身を委ねる。

それは、
生まれ変わるというより――

本当の自分へ、
静かに羽化する瞬間。