先週からずっと、病院のベッドの上にいる。

昔の記憶が走馬灯のようによみがえった。

大学生の時、ある講義で、おじいちゃん先生が講義が始まって早々、悲痛な面持ちでつぶやいた。

「坂井泉が亡くなってしまった···」

「先生、ZARDですか?」

「なんてことだ···こんな損失はない。
誰が亡くなるよりも、これは、これは···」

19年前、慶大病院に入っていたZARDの坂井泉さんが謎の死を遂げた。

その時初めて、おじいちゃん先生が大のZARDファンだと知った。

とても穏やかでいつもニコニコ顔で、これまで声を荒げたことなんてないおじいちゃん先生が吠えた。

「なんで分からないんだっ!!」

愛しの女性を失った男性は、これまでの穏やかな姿が幻だったかのように

「はい。ここの答えはこれ。
ここはこういうこと。
はい、終わり」

と心のシャッターを閉め、講義を終了させた。

周りの学生たちは皆ザワついていたけれど、私たちは一人の人間の心と人生が大激震する場に居合わせたことになる。

なんたる素晴らしい講義。

ちなみに私が小4の時、おこづかいを握りしめて買いに行った初めてのCDは、

ZARDの
『君に逢いたくなったら...』

めいこ🐱🎸