幻は、
心の奥にひそむ静寂を寝床にして、
思い出すたび、
かすかな熱を宿しながら息づいている。

触れれば消えてしまう儚さなのに、
瞼を閉じるたび、
その面影は鮮やかさを増し、

届かないからこそ、
胸の最も深い場所で、静かに咲き続ける。

それは夢でも現でもなく、
ただ、あなただけが残していった、
甘くほどけない幻だった。