眠らない朝が、私を連れ出した。

昨夜、仕事が終わったのは遅く、
眠りについたのは、3:05だった。
それなのに、4:00には目が覚めていた。

歩きに行きたい…
そばを食べに行きたい…
ただ、その思いだけが、
私を朝へと連れ出していた。

雨は、運よくあがっていた。
本当なら、眠たいはずなのに、眠たくない。
不思議な感覚だった。
昨日の朝のように、
体は起きているのに頭はまだ眠っている、
という感じではなく、
まるで昨夜の仕事の続きのまま、
まだ活動しているみたいだった。

寝ていた時間があまりにも短かったから、
頭も体も、
待機中にほんの少し睡眠貯金をした
くらいにしか思っていなかったのかもしれない。

港に着いて、柵に沿って歩いていると、
海からの柔らかな風が、
左の頬をそっと撫でた。
ケ・セラ・セラのリズムにのりながら、
大さん橋の先端にある、
私のパワースポットへ向けて一直線に歩く。

風は、だんだん強くなる。
私の体をすっぽり包み込むように、
通り過ぎていく。
雲が語りかける。
雲の隙間から、
わずかな朝の光が微笑みかける。
やっぱり、私がリセットできる場所はここだ。

そう思った瞬間、
胸の奥がふわっとほどけていった。
私を迎えてくれる自然に応えるように、
思わず大きな声で叫んだ。
「おはよう!」
あまりの清々しさに、
あまりの開放感に、
自然と顔がほころんでいた。

大きく深呼吸をする。
肺いっぱいに朝を吸い込んで、
心の奥に残っていた昨夜の疲れを、
ゆっくりと空へ返していく。
そして、折り返し…
また前へと歩き出す。

新しい私の、新しい一日のはじまり。
7月6日、月曜日。
どんな一日になるのだろう。
自然に見守られて目覚めた
この瞬間を忘れずに、
今日という一日を、大切に過ごしたい。 

眠らなかった夜の名残さえ、
朝の風にほどかれて、
静かに、海の向こうへ流れていった。