目が覚めて、
遅めのお昼ごはんにおにぎりを一個食べた。

もう一度寝ようかとも思ったけれど、
食べてすぐ横になると、
起きたときに胃が重くなる。
だから、少しだけ外へ出ることにした。

本当はローソンまで足を伸ばして、
からあげクンを買いに行くつもりだった。
そのつもりで外へ出ようとしたのだけれど、
いろいろと不便なことを考えると、
今日は近くでいいか、という気になった。

外へ出た瞬間、風がさーっと吹き上げた。
強い風が髪を揺らし、
スカートの裾を一瞬、
めくれ上がりそうなほど大きく揺らした。

時刻は15:40。
まだこんな時間なのに、
曇っているせいか、辺りは少し薄暗い。

「風さん、今日はまだお仕事がないわ。
でも、あなたたちがどうしてるかなと思って、
見に来たの」
本当はもう少し足を伸ばして、
一緒にお散歩しようと思っていた。
でも、今はコンタクトを外している。
遠くがよく見えない。
「だから今日は遠くまで行かないわ。
何かと不便だし、すぐに帰れないから。
近くで一緒に遊びましょう」

そう言うと、風は私の提案に応えるように、
手に提げていたレジ袋を大きく揺らした。

その袋は、お昼にお店へ出勤したときには、
もう少し重かった。
朝買ったミニパンの残りが三個と、
おにぎりが二個。
でも、ミニパンとおにぎり一個は、
もう私のお腹の中に消えている。
残っているのは、おにぎり一個だけ。
それはバッグの中に置いてきて、
今日は空っぽになった袋だけを持って
外へ出てきた。

今日のスカートにはポケットがない。
だからこの袋が、
ちょっとした手提げ代わりなのだ。

食べていた時間を除けば、
二時間半ほどは眠ったはずなのに、
どうも途中で起こされたような
感覚が残っている。
頭がぼーっとしている。
すっきりするグリーンコーラでも買って、
また戻って寝ようかな。
そんなことを考えながら、
しばらく風さんと戯れていた。

朝はあれだけ張り切っていたのに、
今はもう、からあげクンを
買いに行く気さえなくなっていた。
この時間から食べたら、きっと胃がもたれる。
やっぱり、からあげクンのような
少し脂っこいものは、
お昼か、お昼を少し過ぎたくらいに
食べるのがちょうどいい。

それなら、夜遅くに食べられる
チーズでも買っておこうかしら。
そんなことをぼんやり考えながら、
空を見上げた。

でも、よく見えない。
コンタクトを外した目に映るのは、
ぼやっとした水色の空と、
ぼやっとした雲。
まるで、今の私の頭の中みたいだった。

そういえば、ここには街路樹が一本もない。

すると突然、
今朝、出勤するときに見つけた
あの木のことを思い出した。
あの街路樹は、
一体なんだったのだろう。

マンゴーだったのか。
ヤマモモだったのか。
それとも、ウルシだったのか。
明日、この謎を解かねばならない。

「風さん、風さん。もうしばらくしたら、
また来るわね」
今日はなんだか、
とても静かな時間を、
ずっと待機所で過ごすような気がする。

でも、それもいいのかもしれない。
何も起こらない時間を静かに過ごして、
ときどきこうして外へ出て、風さんと遊ぶ。
そんな一日があってもいい。

また強い風が吹いた。
右の頬から左の頬へ、
風がすーっと流れていく。
空っぽのレジ袋も、
同じ方向へ大きくなびいている。
私はそれを眺めながら、
しばらくその場に座っていた。

どこかへ急ぐ必要もない。
何かをしなければならないわけでもない。
ただ、吹いてくる風に身を任せていればいい。そして私の心もなぜか、
風の流れに任せるかのように、
ゆっくりと流れていた。