いつの間に、
こんなに賑やかになったんだろう。

最初は、ただ私ひとりだった。
朝の街を歩いて、
風に話しかけて、
空を見上げて、
木々に心を寄せて。
その日に感じたことを言葉にして、
ひとつずつ物語にしていた。

ところがある日。
私の周りに、
ひとり、またひとりと、
不思議な仲間たちが現れ始めた。

今ではすっかり、森村と愉快な仲間たち。

今日は改めて、
このちょっと不思議で、
かなり賑やかな仲間たちを
ご紹介しようと思う。

まずは――モリリン
元気いっぱいの探検隊長。
何かを見つければ、
「行ってみよう!」
何か気になれば、
「調べてみよう!」
知らない道でも、
知らないものでも、
とにかく一歩踏み出すのが大好き。

森村探検隊となれば、
先頭を切って進んでいく。
少しおっちょこちょいで、
たまに勢い余って
違う方向へ走っていくこともあるけれど、
そんなところも、
まあ、モリリンらしい。

私の中の
「面白そう!」
「やってみたい!」
を、いちばん素直に
表してくれる存在なのかもしれない。

そして――森村
言葉を紡ぎ、
日々の物語を歩いていく主人公。
朝の風景も、
人との出逢いも、
一杯のお酒も、
一本の木も、
ただ通り過ぎるのではなく、
その奥にある何かを見つけたくなる。

時には立ち止まり、
時には笑い、
時には心が揺れる。
でも、その全部を抱えながら歩いていく。
そして心に触れたものを、
言葉に変えて残していく。

たぶん私は、
「特別なこと」を探しているわけではない。
何気ない一日の中にある、
小さなきらめきを拾っているだけ。
でも、その小さなきらめきが積み重なると、
いつの間にかひとつの物語になる。
それが、森村。

その隣には――ヒカリン
ころん。ふわっ。ぴかっ。
ちょっと小太りの、
白いうさぎ。
服なんて着ない。
人みたいに立派に振る舞おうともしない。

ただ、
まんまるの身体で、
ぴょこんと現れる。

だけどヒカリンの周りには、
いつも小さな光がある。
胸元には月と星。
身体の周りには、
きらきらとした光の粒。
ヒカリンは、
光そのものではない。

たぶん、光を見つけるのが得意なうさぎ。
曇った日にも。
雨の日にも。
少し心が沈んでいる日にも。
「ほら、ここにあるよ」
そんなふうに、
小さな光を見つけてくれる。

だからヒカリンがいると、
なんとなく世界が少し明るくなる。

そして最後は――風さん
そっと寄り添う、
やさしい風。
姿があるようで、
本当は姿なんてないのかもしれない。
でも私は、
何度も風さんを感じてきた。

大さん橋で。
山下公園で。
木々の間で。
ホテルへ向かう道で。
文章を書きながら言葉に迷ったときにも、
「ねえ、風さん」
そう呼びかけると、
どこからともなく、
ふわっとやってくる。

何かを強く言うわけでもない。
答えを教えてくれるわけでもない。
ただ、「ここにいるよ」
そんなふうに、
そっと隣にいてくれる。
それが風さん。

だから今日も。
モリリンが元気いっぱいに飛び出して、
ヒカリンがぴょんぴょん跳ねて、
風さんがふわりと吹いて、
その真ん中を、
森村が歩いていく。

四人そろえば、
なんだかちょっと騒がしくて、
ちょっと不思議で、
でも、とても心強い。

ひとりで歩いているように見えて、
本当はひとりじゃない。
私の中にある、
好奇心。
光。
風。
そして言葉。

それぞれが形を持って、
私の隣を歩いてくれている。
そう考えると、
「愉快な仲間たち」という名前は、
案外ぴったりなのかもしれない。

これからもきっと、
モリリンは勝手に探検を始め、
ヒカリンはどこかで光を拾い、
風さんは気まぐれに現れる。

そして私は、
そんな仲間たちと一緒に、
また新しい物語を見つけに行く。

さあ。
次はどんな景色に逢えるだろう。
どんな言葉が生まれるだろう。
どんな仲間が、
またひょっこり現れるだろう。

森村と愉快な仲間たち。
物語は、
まだ始まったばかり。

手をつなぎ
光と風を
連れながら
笑って歩く
わたしの世界

— Morimura