群青の
夜のしじまに
目覚めれば
遠き空より
光の便り

ひとつ星
またひとつ星
離れつつ
互いを魅つめ
静かに灯る

黄金の
光は私
白き星
その輝きに
あなたを宿す

逢えぬ日の
長き静けさ
そのあわい
言葉にならぬ
想いを交わす

恋とは何か

愛とは何か

答えを急ぐこともなく
ただ胸の奥に生まれた
小さなときめきを
そっと両手で包み込む

凛として
立ちたる私
その胸に
少女の心
今なお息づく

甘えたき
夜もありけり
誰かへと
心をほどく
朝もありけり

けれど私は
誰かの色に染まりきることなく
私という光を
静かに守っていたい

星に願いを

月に祈りを

細き月
有明の空
たゆたいて
幾つもの願い
静かに抱けり

どうか
大切な人たちが
今日も笑顔でありますように

どうか
遠く離れた心にも
柔らかな光が届きますように

そして
私が私を愛する心を
いつまでも
失わずにいられますように

やがて
群青はほどけ
空色となり
白き朝へと移ろってゆく

金木犀の甘き香り

鳥たちの澄んだ歌声

虫たちの小さな調べ

それぞれの音が
ひとつの旋律となり
私の胸を満たしていく

ああ
乙女の祈り

切なき音に始まりて
やがて穏やかな調べへと
心はゆっくりほどけてゆく

曲がりゆく
道の果てにも
朝は来る

迷いし日にも
立ち止まりし日にも
私の道は
私の足もとに続いている

白芙蓉
朝露まとい
咲き初めて
時の移ろい
桃へと染まる

淡き紅
深まる色に
心寄せ
幾つもの私
花に重ねる

あるときは
少女のように笑い

あるときは
誰かの胸に甘え

あるときは
静かに人生を語り

またあるときは
ひとり背筋を伸ばして
明日へと歩き出す

そのすべてが
私という
たったひとつの命の色

白も
薄桃も
深き紅も

どの色も愛おしい

そして今目の前には
限りなく透明に近いブルー

その光の奥には
夜の群青が
まだ静かに息づいている

星は隠れ
月は姿を消し
朝の舞台には
白き光が満ちてゆく

けれど
私の胸の奥には
消えぬ灯がある

ほんのりと
桃色を帯びた
小さな炎

激しく燃えることもなく
誰かを焦がすこともなく

ただ静かに
ゆらり
ゆらりと
私の命を温めている

それは
誰かに与えられた光ではない

幾つもの朝を迎え
幾つもの夜を越え
喜びも悲しみも抱きながら
私自身が育ててきた
心の常灯

凛として

艶やかに

自由で純粋に

そして
いつまでも
胸に乙女を住まわせて

星に願いを

月に祈りを

朝の光には
今日も私らしく生きるという
小さな約束を

ああ
なんと愛おしい
この一度きりの人生

私は今日も
私という物語を
新しい頁へと進めてゆく

白き朝

その澄みきった空の下
桃色の炎を
そっと胸に抱きながら

いつまでも
いつまでも

私の人生に

恋をしていたい。

短歌|常しえの桃灯り

群青の
星は隠れて
朝となり
胸に桃灯る
乙女の祈り

— Morimura