お客様とお別れしたあと、
いつもの場所で日記を書いていた。

そして、待機車へと戻る途中のこと。
ふと目に留まった一枚のポスター。
そこには、とても美しい仏様のお姿があった。

なんとも艶やかで、どこか神秘的。
男性のようにも見えるし、
女性のようにも見える。
どちらとも言い切れない、
中性的な美しさをまとった仏様だった。

その穏やかな表情には、
なんとも言えない色香が漂っている。
思わず足を止め、
しばらく魅入ってしまった。

仏様の美しさというものは、
どうしてこんなにも人
の心を惹きつけるのだろう。

そんなことを考えているうちに、
むくむくと創作意欲が湧いてきた。

ああ、この仏様を題材に
『あわい草子』を書いてみたい。
そういえば、
今夜は『ビスカウトクラブ』
の準備もしなくてはいけない。
『一筆入魂』で書く文字も、
もう決めている。

あれも書きたい。
これも書きたい。
頭の中には、次々と物語が浮かんでくる。
こうなったら、寝ている場合ではない。
そう思って、再び日記を書き始めた。

ところが……。
画像生成が、
どうにもこうにもうまくいかない。
何度も何度も失敗を繰り返し、
そのたびに時間ばかりが過ぎていく。
とうとう私の堪忍袋の緒が切れた。

もう、いい加減にして!
せっかく湧き上がってきた創作への思いも、
すっかり怒りに変わってしまった。

そんなときだった。
メールの着信音。
あら、お仕事が入ったみたい。

そして、次のドアが開きました。
ドアの向こうに立っていらしたのは、
爽やかな笑顔がとっても素敵なあなた。
今日もおしゃれで、相変わらずイケている。

「わあ、すごくお久しぶり!」
思わず声が弾んでしまった。
「なんだか、すごく嬉しい。
私のこと、覚えていてくれたのね」

すると、あなたは少し不思議そうに、
「そんなに久しぶりやったかな?」ですって。「そうよ。だいぶ久しぶりよ!」
そんなやり取りをしながら、
自然と抱きしめ合う私たち。

ああ、懐かしい。
この笑顔。
この優しさ。
そして、この温もり。

久しぶりにお逢いできた喜びが、
じんわりと胸いっぱいに広がっていく。
それからは、
逢えなかった間のお話をあれこれ。

お仕事の話が多かったかしら。
あなたも私も、
話し始めると次から次へと言葉が出てくる。
そんな中、あなたは私のことを、
「不思議ちゃん」なんておっしゃる。

どうやら、私という人間には、
まだまだ謎が多いらしい。
あれこれ尋ねては、
私のことをもっと知ろうとしてくださる。
でもね。
「不思議ちゃんは、不思議のままがいいのよ」

そう言って、さらりとかわしてしまった。
だって、何もかもわかってしまったら、
つまらないでしょう?
知らないことがあるからこそ、
もっと知りたくなる。
そんな心のあわいも、
男女の間には必要なのかもしれない。

そして、あなたとベッドへ。
そっと、優しくあなたに触れる。
触れるたびに、
あなたが心地よさそうにしてくださる。
その様子が伝わってくることが、
私にはとても嬉しかった。

言葉にしなくても、
触れ合うことで伝わる気持ちがある。
優しく触れ、見つめ合い、
そして抱きしめ合う。

久しぶりにお逢いしたというのに、
そんな時間の隔たりさえ感じさせない。
むしろ、逢えなかった時間があったからこそ、
今日の再会がこんなにも
嬉しいのかもしれない。

そして、何よりも。
私のことを忘れずにいてくださったこと。
また逢いたいと思ってくださったこと。
そのお気持ちが、とても嬉しかった。

人と人とのご縁は、不思議なもの。
しばらく逢えない時間が続いても、
こうして再び同じ時間を分かち合える。
そのひとときには、
言葉だけでは表せない温かさがある。

あなたの優しさ。
さりげない思いやり。
そして、変わらない爽やかな笑顔。
その一つひとつが、
今日の私の心に優しく残っている。

楽しい時間は、いつもあっという間。
やがて、お別れのとき。
「また待ってますね」そう言いながら、
あなたとお別れした。

久しぶりにお逢いできて、
本当に嬉しかった。
またいつか、
あの爽やかな笑顔に逢えますように。

そして、そのときもきっと、
あなたは私のことを
「不思議ちゃん」と呼ぶのでしょうね。

でも、いいの。
不思議ちゃんは、不思議のままで。
そのほうが、
次にお逢いするときのお楽しみも、
きっと増えるでしょうから。

今日も素敵な時間をありがとうございました。
また、あなたの笑顔に逢える日を
楽しみにしています。

— Morimura