心は何度でも、
理性という花びらに包まれようとする。

それでも、
あなたを前にすると、
胸の奥で眠っていた本能は、
夏の日差しを浴びた花のように、
ゆっくりと艶を宿していく。

熱を含んだ風が頬をなでるたび、
秘めていた想いは静かにほどけ、
鼓動は陽炎のように揺らめいて、
あなたへと惹かれていく。

その香りは、
真夏の空気に溶けるほど淡く、
けれど、
あなただけにはきっと届いてしまう。

そして夏が過ぎても、
あの日、胸に咲いた本能だけは、
夕焼けの残り熱のように、
静かに息づいている。