いつもの時間に目を覚ますと、
激しい雨音が聞こえていた。
音だけで、雨の強さがわかるほどだった。

窓を開けると、やはり大雨。
わかっていたこととはいえ、
その激しさに、
歩きに行こうという気持ちが少し萎えていく。
けれど、不思議なことに、
体は自然に動いていた。
迷う心を置き去りにするように、
私は歩き出した。

暗がりの伊勢佐木モール…
路面に雨が強く打ちつけ、
その水が両脇へと流れていく。
街灯の光は、
切れかけた電球のようにちらつき、
濡れた路面をピカピカと照らしていた。
まるで雷のような光…
嵐の前触れのような、不気味な朝だった。 

それでも、アメニモマケズ歩いた。
雨は激しいけれど、風はまだない。
お気に入りのシューズが
濡れていくのが気になった。
汚れたら洗えばいい。
けれど、なかなか乾かないから、
明日歩く時のことまで心配してしまう。

やがて、赤レンガ倉庫が見えてきた。
その横に、倉庫に半分隠れるようにして、
大きなマンションのようなものが見えた。
煌々と灯りに照らされたその姿に、
一瞬、建物かと思った。
けれど、それは豪華なクルーズ船だった。
雨に煙る朝の港に浮かぶその姿は、
どこか現実離れしていて、
思わず近くで見惚れてしまった。
その時、急に強い風に煽られ、
体がふらついた。

それでも私は、私のパワースポットである
大さん橋の先へと向かった。
歩いているうちに、
雨は小降りになり、
いつの間にか上がっていた。
あれほど強かった風も、静かに止んでいた。
耳元をくすぐるように流れていたのは、
「ケ・セラ・セラ」

「ここを乗り越えたら楽になれる」
「負けるな、今日も踏ん張って」 
そんな歌に背中を押されるように、
誰もいない海に向かって、
私は大きな声で叫んだ。
「おはよう」もう一度、「おはよう」
二度目の声が海に溶けていったあと、
ベイブリッジのはるか向こう、
雲に隠れた空の奥に、
かすかな朝の光を感じた気がした。

6月27日、土曜日✨
新しい一日のスタートimg
雨を越え、風を越え、
新しい私が、今から静かに動き出すimg