待機所に戻り、
晩ご飯に、あと1個だけ残っていた
炊き込みご飯のおにぎりを食べた。
美味しかった。
からあげクンは残念だったけれど、
おにぎりを食べておいてよかった。
それから、また眠ってしまったようだった。
20:00頃から眠り、
目を覚ましたのは22:00頃。
なぜ目が覚めたのかはわからない。
何となくスマホを手に取ると、
お店からメールが届いていた。
お仕事が入ったみたい。
ふとホテル名を見ると、
そこには「新横浜」と書いてある。
「今から新横浜?」
行って帰ってくる時間を考えると、
どうやら0:00を回りそうだった。
それなら先に片付けておこう。
待機所の居場所を整え、
迎えに来てもらったら、
すぐに帰れるように支度を済ませた。
よし、これで大丈夫。
そして、外へ出た。
すると、
風さんたちが私のまわりへ集まってきた。
風さん、今から車で新横浜に行くのよ。
「えっ?」
そんな顔をしたような気がした。
きっと風さんも驚いたのだろう。
それでも、
ちゃんと後からついてきてくれた。
そして、
今日の最後のドアが開きました。
暗くした部屋の奥から出てきて、
迎えてくださったのは、
どこか少し気持ちの沈んでいるように見える
貴方だった。
ソファに横並びに座り、
ゆっくりと話をした。
疲れているのかな。
何かあったのかな。
そんなことを思っていたけれど、
貴方は、
そのことにはあまり触れたくないようだった。
見た目のお年頃から考えても、
仕事のこと、人間関係のこと、
きっといろいろと
大変な時期なのだろうと思った。
けれど貴方は、
自分のことよりも、
私のことばかり聞きたがった。
だから私は、
少しでも貴方の気持ちが
楽になればいいと思いながら、
自分のことをいろいろと話した。
でも――少し、明るく話しすぎたかな。
気づけば、
私ばかりが語っているような時間になっていた。
それでも、
貴方に話しているはずの言葉が、
だんだん自分自身にも返ってきた。
人生は長い。
いろんなことがある。
そのひとつひとつを乗り越えながら、
少しずつ前へ進めばいい。
時には、
休むことだって大切。
「逃げるが勝ち」と思って、
その場所から避難したっていい。
少しくらい後退りしたっていい。
そして、
また前へ進めばいい。
今は苦しく思えることでも、
何年か先に振り返ったときには、
「あの経験があったから」
そう思える日が、
きっと来るのではないだろうか。
私は、
そんなことを貴方に伝えたかった。
まずは、
ゆっくり休んでほしい。
今日、私がもう少し貴方を
癒してあげられたらよかったのだけれど。
そこだけが、
ほんの少し心残りだった。
また逢えることを楽しみにしています。
そのとき、
貴方はいったい
どんな表情をしているのだろう。
ゆっくりと休むことができて、
その綺麗な瞳で、
自分の向かうべき道の少し先を、
静かに魅つめられているといいな。
そんなことを、
心の中で思っていた。
人生相談のような、
悩み相談のような、
そして結局は、
私自身のことを語り尽くしたような
時間になった。
それでも貴方は、
「それでもいい」と言ってくれた。
そして、
貴方を抱きしめたときの感じたぬくもり。
あの温かさは、
今も心に残っている。
私は毎朝、
空や風や木々、
たくさんの自然から、
生きるための力を分けてもらっている。
その力を、
ほんの少しだけでも、
貴方に渡すことができたのではないだろうか。
そんなふうに思った。
もしかしたら、
ただの思いすごしかもしれない。
それでも、そう思いたかった。
そうして、今日の最後のドアが閉じました。
気になる貴方。
今夜は、ゆっくり休めるといいな。
そう願いながら、私は車に乗った。
風さんも、後からちゃんとついてきてくれた。
なんだか、不思議な時間だった。
貴方に向けて語っていたはずなのに、
気づけば、
自分自身に言い聞かせていた。
前を向いて歩くこと。
休んでもいいこと。
逃げてもいいこと。
寄り道してもいい。
回り道だって、したっていい。
最初から道を決めつけなくてもいい。
それでも最後は、
自分の心が決めたことに従って、
また前へ進めばいい。
今日の最後の出逢いは、
そんな当たり前のことを、
もう一度私に教えてくれた
時間だったのかもしれない。
そして私は、
また明日も前を向いて歩いていく。
きっとその道にも、
私の風さんは、
ついてきてくれる。
心が決めた、その先へ✨
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