「心の奥へつづく階段」最初は、
ただパン屋さんへ行くためだけの階段だった。
朝7:00から開いているパン屋さんを
ネットで見つけ、
そこへ行くために、
ただ地下へ降りていただけ。
それだけの階段だった。
けれど、そこで素敵な音色に出逢った。
流れてくる曲から、
懐かしい風景が蘇ったこともあった。
パン屋さんでは、
今日は何を食べようかと選ぶ楽しみを知り、
口にすれば、
小さな満足感に心が満たされた。
そして、
そこで感じたことを
日記に書いているうちに、
いつの間にか私は、
自分の心の中まで覗き込んでいた。
だから、
もうここは、
ただ地下へ降りる階段ではない。
これからは、「心の奥へつづく階段」
この先には、
まだ私の知らない景色が、
いくつも待っているのかもしれない。
そう思うだけで、
いつもの階段が、
なんだか私だけの秘密の入口になった。
ようやく日記を書き終え、
ふうっと一息ついた。
そして、買ってきたミニパンを三つ。
もちろん、
好きなものを一つずつ。
ゆっくり味わって、
水をゴクリ。
ああ、満たされた。
心も満たされ、
お腹も満たされた。
さて。
今度は、
いつものゆで玉子のことを考えた。
今回の横浜滞在は、結局11日間。
こちらへ来る日を除けば、
お部屋で朝ご飯を食べるのは10回になる。
毎朝2個なら、20個必要だった。
でも、ゆで玉子を
そんなに長く置いておくわけにはいかない。
だから今回は、
7回分の14個しか持ってきていなかった。
残りの朝も、
やっぱり玉子2個を続けようと思えば、
あと6個。……600円か。
ここで、ちょっぴりせこい私が顔を出した。
もったいないような気もする。
それなら、残りは1日1個にしてみようか。
そんなことを考えながら、
コンビニへ入り、
ゆで玉子を1個だけ買った。
2個入りの方がお得。
でも、2個買えば、
きっと2個とも食べてしまう。
だから今日は、1個。
そしてレジへ向かおうとしたとき――
あ。
あった。
ご当地からあげクン。
でも、一種類しかない。
麻辣湯味。
確かネットで魅たときには、
八種類くらいあったはず。
ということは、
全国八種類が並ぶのではなく、
その地域の味だけなのだろうか。
じゃあ、
九州の味が食べたければ九州へ?
関西の味が食べたければ関西へ?
それでは、
ご当地の人が、
ご当地の味を食べるだけではないか。
なんだか腑に落ちない。
お店の方にも聞いてみたけれど、
よくわからないとのことだった。
でも、せっかく目の前にある。
それなら、
ゆで玉子の代わりに、
からあげクンを
食べてみるのもいいかもしれない。
麻辣湯味。
考えてみれば、
私は麻辣湯そのものを食べたことがない。
どんな味なのかも、
よく知らない。
そう思ったら、
少し楽しくなってきた。
これもまた、
未知の世界の風景なのかもしれない。
心の奥へつづく階段の先に、
まだ知らないものが待っているように、
食べたことのない味の向こうにも、
小さな未知の世界がある。
外では、緑の木々が風に揺れていた。
きっと、さっきまで「無」だの、
「心のサンクチュアリー」だのと
考えていたのに、
今度は食べ物のことばっかり。
そんな私を見て、
笑っているのかもしれない。
でも、それでいい。
考える私も、
感じる私も、
食べたい私も、
全部、私なのだから。
そして、
ようやく今日の朝歩きのゴールへ辿り着いた。
あ。
そうだった。まだ宿題が残っている。
「謎の木1」
今朝拾った、あの一枚の落ち葉。
帰ったら、さっそく写真を撮ろう。
植物判定アプリにも、
AIにも魅てもらおう。
さて、どんな答えが返ってくるのだろう。
どうやら今日も、
朝からゆっくりしている暇はなさそうだ。
でも、そんな慌ただしさも、
きっと私の一日。
知らないものに出逢い、
心を動かし、
また一つ知っていく。
今日も、
思いきり進んでいこう。
私の風さんと一緒に。
風に乗って。
秘密の入り口の、その先へ✨
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