天地の旋律は街の中へと続き、
少しずつその姿を
街の景色へ馴染ませていくようだった。

心の奥を覗き、
またひとつ夏の風景と出逢った。
そんな満たされた思いを抱きながら、
ミニパンを半分つまみ、
お腹も少し満たして、
私はゴールを目指して
伊勢佐木モールへと歩き始めた。

今日は少し時間が早かったから、
大岡川まで足を伸ばそうかとも思ったけれど、
気づけばまた時間が過ぎていた。

伊勢佐木モールの街路樹も美しい。
ここには、いろいろな木が植えられている。

以前の私なら、
きっと「緑の木」と
ひとことで通り過ぎていただろう。
でも今は違う。
風に葉をたなびかせる木々を、
一本一本魅つめるように、
確かめるように歩いていく。

その木々の間には、
鳥の気配。
前を走る車の気配。
これから動き出そうとする街の気配。
街の旋律と天地の旋律が混じり合い、
私の中で、
また新しい旋律を奏でているようだった。

「風さん、
私の心の中で奏でているメロディー、
聞こえる? 素敵でしょ」

朝から心に響いたものを、
一つひとつ自分の中へ溶け込ませてきた。
そのすべてが、今、
私の中で音楽になっている。

「今のところ、第四楽章まであるのかしら。
風さんは、どの楽章が好き?」
そんなふうに風さんと話しながら、
ゴールへ向かう。

街全体が、これから動き出す。
そして私も、ウォーキングを終えて、
また新しい一日へ動き出す。

朝から拾い集め、
心の中へ溶け込ませてきた、
いくつもの響きとともに。

心の交響曲は今、第四楽章へ。