雨がしとしと、
ぽつりぽつりと降っている。
長い、長い一日が終わろうとしている。
今日も朝から歩き、
心に響いたたくさんの風景を、
私の中へ溶け込ませてきた。
天地の旋律を聴き、
軽やかなクラシックの旋律を聴き、
そして自然や街、
人が奏でるさまざまな声に耳を澄ませながら、
前へ進んできた一日だった。
今日もいくつもの出逢いがあった。
初めてお逢いするからこその、ときめき。
ドキドキとワクワク。
そして、初めてお逢いしたはずなのに、
それまで言葉を交わし続けてきたからこそ
感じられる、不思議な心の近さ。
逢えない時間にも会話を重ねることで、
少しずつ心がつながり、
二人の距離が縮まっていく。
人と人が言葉を交わすことの素晴らしさを、
改めて感じた一日でもあった。
そんな一つひとつの出逢いが今、
私の心の中で美しい旋律となって響いている。
今日は、第何楽章まで聴いたのだろう。
あまりにもたくさんの音が重なり、
あまりにも豊かな世界が広がっていたから、
もう数えることさえできない。
そして今、
今日という物語は
いよいよ最終楽章へ向かっている。
ところが、その最終楽章には
思いがけない曲調が待っていた。
今日最後のドアの向こうにいたのは、
思わず「嘘でしょ?」と
声を上げてしまうほど若く、
かわいらしいあなた。
驚きから始まった時間は、
最後には思いがけない
嬉しい言葉までいただいて、
私はどうやら今日の締めくくりに
新記録まで樹立してしまったらしい。
ホテルを出た私の胸には、
誰にも見えないぴかぴかの金メダル。
「ねえ、それなあに?」
さっそく覗き込みにきた風さんに、
私は笑った。
「うふふ、内緒」
静かに終わるはずだった今日の最終楽章に、
最後の最後でこんな
お茶目な音符が飛び込んでくるなんて。
人生って、だから面白い。
ドラマティックに心を揺らす旋律が流れ、
やがて少しずつテンポを落としながら、
夜の静けさへ溶け込んでいく。
最後には、その音さえも
夜空へ舞い上がっていくようだった。
今日という一日を、どんな言葉で閉じよう。
心の中に流れる旋律を聴きながら
考えてみたけれど、
やっぱりこれしか浮かばなかった。
時の誘惑。
そして、その余韻に浸る贅沢。
今日お逢いしたあなたへ。
素敵な夏の夢をありがとう。
そして風さん。
今日も一日、
私と一緒に歩いてくれてありがとう。
自然が、街が、人が奏でてくれた
心のメロディーを聴きながら、
今日という一日の物語を静かに閉じていく。
朝から私の中へ集めてきたいくつもの旋律は、今、一つの大きな音楽となっている。
そしてとうとう、
その旋律は――
今、夜空に星のように光っている。
心の旋律✨
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