お昼ご飯を食べ、
アイマスクをつけて横になった。
ほんの少し休むつもりだったのに、
いつの間にか眠っていたらしい。

メールの着信音で目を覚ますと、
時刻はもう14時を回っていた。
一時間くらい眠ったのかしら。
もう少し寝ていたい気もしたけれど、
この辺で起きておいた方がよさそうだ。

外へ出ると、ふわふわと風が吹いていた。
あ、風さん。
迎えに来てくれたのね。
ふわふわ、ふわふわ。
くるくる、くるくる。
待ちくたびれたよ、とでも言いたげに、
私のまわりを何度もまわっている。
そんな風さんの可愛らしいところ、
好きだなあ。

「風さん、私は車で送ってもらうけど、
あなたは後からついてきてね。
すぐ近くみたいだから」
そう言って、ひとまず風さんとはお別れ。

車に乗り込み、
今日最初のあなたが待つホテルへ向かった。
待ち合わせはホテルの入口。
聞いていた服装の特徴ですぐに、
あなただとわかった。
とても素朴な笑顔。
物腰も柔らかくて、優しそうなあなた。
初めてなのに、なんだかほっとした。

そしてあなたと一緒に、
今日最初のドアを開けた。

遠くから野球の応援にいらしたというあなた。
よほどお好きなのね。
応援しているチームのことを、
それはそれは嬉しそうに話してくださる。
そんなあなたの熱気につられるように、
ふたりのプロローグも
どんどん盛り上がっていった。

やがて言葉だけではなく、
互いの温もりを感じる時間へ。
私からそっと触れると、
素直に喜んでくださるあなた。
その様子が嬉しくて、
私の心まで弾んでいく。

今度はあなたの番。
優しく触れられ、
腕の中に包まれながら感じたのは、
あなたの優しさと温もりだった。
ドキドキしたわ。
ワクワクしたわ。
そして、ふわりと心までとろけていった。

賑やかな野球の話から始まったのに、
気がつけば、
そこにはとても穏やかな時間が流れていた。
ありがとう。
また待っていますね。

外へ出ると——あら。
車より先に、風さんが迎えに来てくれていた。

「風さん、ありがとう。
でも車はまだ来ないの。
あなたに乗って帰るわけにはいかないものね。
もう少し、ここで一緒に待っていて」

ふわふわとまとわりつく風を感じながら、
私は日記を書き始めた。
あなたと過ごした、
楽しくて、穏やかな時間をもう一度、
心の中でゆっくりと思い返しながら。