今日の居場所を整えてみると、
いつもと同じようなスペースなのに、
今日はなぜかすっきりとして、
とても居心地がよく感じた。
どうしてだろう。

きっと今の気分がいいからだろうな。
足元のリクライニングを少し上げてみる。
足を持ち上げると、やっぱり気持ちいい。
日記をアップしたら、
アイマスクをつけて少しお昼寝しよう。

そう思ったところで、
時刻を確認していなかったことに気づいた。
起きた時に「何時間寝られた」と数えるのが、
私はなぜか好きなのだ。

たくさん寝すぎると気が滅入り、
ほどほどなら嬉しくなり、
少ししか眠れないと残念に思う。
睡眠時間とお仕事の時間が反比例するなんて、
なんだか複雑。

スマホを手に取った、その時だった。
メールの着信。
開いてみると、お仕事が入ったらしい。
えっ、すぐ?慌てて支度を始めた。

ところがエレベーターへ向かう途中、
もう一通未開封のメールに気づいた。
開いてみると、あれれ。
その後にも続けてご予約が入っている。
嬉しいな。
果報は寝て待て、なのかな。
まだ寝てないけど。

そうして、本日最初のドアが開いた。
久しぶりに逢えたあなたが、
優しい笑顔で迎えてくださいました。

「まあ嬉しい。またお逢いできて」
「出張から帰ってきたんだよ」
そんな話をしながら、
「何か飲む?」
「あなたが飲むなら、私もいただくわ」
あなたはレモンサワー。
私はスーパードライ。二人で乾杯した。

横に並び、くっついて座りながら、
取り留めのない話をする。
その何気ない時間が、
逢えなかった間の空白を
少しずつ埋めていくようだった。

やがて触れ合う距離も自然に近くなっていく。
ゆっくりと触れ、
優しく触れられ、
あなたの表情を魅つめながら、
久しぶりの温もりを確かめる。

乾杯から始まった
再会の時間があったからこそ、
その後の時間もどこか自然だった。
熱く抱きしめ合う時間。
静かに余韻を感じる時間。
それはまるで、
二人だけの愛のメロディーを
奏でているようだった。

お土産もありがとう。
また出張のお話、聞かせてね。

いつもの場所であなたと別れ、
その余韻を胸に、
私はまた次のホテルへ向かった。

そこへ風さんがやってきた。
「風さん、ここにいたの?」
「お仕事入ってよかったわね」
「ほんと。果報は寝て待て、よね」
「まだ寝てなかったけどね」
風さんは、うふふと笑っていた。