時刻は11時11分。
やっと、テレワークが終わった。

「起」「承」と進み、途中で一服。
そして「転」へ。
飲み物も飲まず、
小腹が空いてもお菓子には手を伸ばさず、
ひたすらデータを貼り付ける。
貼り付け、貼り付け、また貼り付け。
そして最後の「結」
1か月分のデータを抽出する。
ここまで来ると、
もう休憩する気にもならない。

終わりが見えているから、
そのまま一気に駆け抜けた。
最後にメールを送信。
終了。
「ああ、予定より10分くらい早く終わった」
小さく喜んだ、その直後だった。

見落としていたメールを見つけた。
どうやら催促のようだ。
内容を読むと、見積もりが欲しいとのこと。
今すぐにはできない。
だから、少し日にちをくださいと返し、
見積もりを作るために
各担当へ工数確認のメールを送った。

そんなことをしているうちに、
さっきまで喜んでいた10分の余裕は消え、
今度は10分オーバー。
でも、まあいい。
見落としたままにならずに済んだのだから。

おそらく今日中に
各担当から返事が来るだろう。
明日の朝、それをまとめて
見積もりを作ればいい。
30分ほどあればできるはず。
そう考えると、また気持ちは整っていった。

うっかり忘れていた
お店への出勤メールも送った。
あとはメイクをして、
着替えて、
荷物をまとめて出かけるだけ。
今日も少しギリギリになるかな。

でも、とりあえず。
忘れていた1時間半のテレワークを、
私は「起承転結」という
自分なりの物語にして、
最後までやり遂げた。
その小さな達成感で、
心はちゃんと満たされていた。

もうすぐ、今日のオアシス時間も終わる。
そして次は、お店へ。
今日もまだ予約はない。
昨日もそうだった。
それでも、待っていれば
何かいいことがあるかもしれない。

そんなふうに思いながら、
やるべきことをひとつ終えた喜びを胸に、
私は次の時間へ向かう準備を始めた。