12時10分前、ようやく部屋を出た。
2階でエレベーターを降り、
1階へ続く階段をゆっくり下りる。
ゴミもあって荷物が多いから、
つまずかないよう一歩ずつ。
巡り木がいた。
モチおじさんは葉を揺らしながら、
こちらへ手を振ってくれている。
なぞちゃんは相変わらず、
少しツンとすました顔。
あ、この葉の揺れ。
風さんが来た。
「風さん、久しぶり。朝はどこにいたの?」
「だって、僕の入る隙がなかったから」
なんだ、そういうことか。
今朝は早く歩き始めた分、
いろんな風景を拾った。
音も、
空も、
光も。
ひとつ感じるたびに、
次から次へと言葉が浮かんできた。
だから風さんに話しかける暇が
なかったのかもしれない。
「ごめんね」
今日の風さんは、
ふわふわしていて気持ちいい。
寒い雨の日が続いたから、
今日はウィンドブレーカーのいらない、
暖かな一日になるといいな。
小さな空を見上げる。
真っ白な空に、
薄いグレーの雲がふわんと浮かんでいた。
それはまるで、
1時間半のテレワーク物語を読み終え、
さらに予定外の続編まで読み終えたあとの、
満たされた私の心模様みたいだった。
予定より少し長くなったけれど、
それももうひとつの物語。
「風さん、私、待機所へ行くわ。
お仕事が入るまで、
どこかで遊んでいていいよ」
そう言って歩き出す。
待機所に着き、いつもの居場所を整える。
そして、ごろん。
今日はまだ予約がない。
のんびりした一日になるかもしれない。
でも、それでもいい。
日記を書きながら、
流れに身を任せて、
ゆっくり次のお誘いを待とう。
風、昼へほどく✨
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