4時半に目が覚め、
いつものようにゆっくり支度をして、
5時前に外へ出た。
朝の空気はひやりとして、
まるで、
もう秋が深まり始めた朝のようだった。
風は冷たく、
空からは、
昨日の雨が落としきれずに
残していったような小さな雫が、
ポツリ、ポツリと、頬に触れてきた。
その雨の気配の中で、
昨夜の記憶がふいによみがえった。
最後のドアの中で過ごした時間。
耳に入ってきたテレビの音。
流れていたのは、
藤原京と持統天皇をめぐる歴史の番組だった。
しかも語りの中心には里中満智子さん、
そして映し出されていたのは『天上の虹』
昨日、斑鳩を歩き、
厩戸の王子の余韻を胸に
帰ってきたばかりの私の心が、
その音をぎゅっとつかんだのだろう。
耳が離せなかった。
若い頃、聖徳太子に惹かれ、
その人が未来に託した夢が、
その後どんな人々によって
形づくられていったのかを知りたくて、
私はその跡を追いかけた。
中大兄皇子、大海人皇子、鸕野讃良皇女、
そして奈良へつながる時代の流れ。
年代をなぞるというよりも、
人の愛や葛藤が
どう歴史を動かしていったのか、
その大きなうねりを魅たたかったのだと思う。
そういえば、
あの頃の旅の感想を綴ったノートがあった。
たしか「飛鳥ノート」と呼んでいた。
今はもう手元にないけれど、
そのノートは失われたのではなく、
私の心の中に残っていたのだろう。
今朝の風景に触れながら、
私はそのページをぱらぱらとめくっていた。
頭が目覚めるより先に、
心が目を覚ましていた。
そんな朝だった。
雨の余韻、飛鳥へ✨
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