さて。

そろそろ森村、暖簾を出します。

本日の予定表をちらり。

白。

……また白。

最近、私のスケジュール帳、
ずいぶん潔い。

ここまで白いと、
もはや予定表というより、余白。
いや。伸びしろ、と呼んでおこう。
物は言いようである。

でもね。
白いからといって、
何もないとは限らない。

一昨日もそうだった。
昨日もそうだった。
白いところへ、
誰かがふっと色を置いてくださった。

だから今日も、
白なら白で、
そのまま楽しんでみようと思う。

何色が来るか分からないなんて、
ちょっと面白いではないか。

とはいえ——夕方からは、
もう色が決まっている。

18時。

そこからラストまでは、あなた色。

どんな色になるのかは、まだ知らない。

ビール色かもしれない。
笑いすぎて、
ほっぺた桃色かもしれない。
しゃべりすぎて、
口だけ真っ赤になっているかもしれない。

そして夜が深くなれば、
月明かりの銀が
そっと混ざるかもしれない。

まあ、おしゃべり二人を
同じ部屋へ入れる時点で、
静かな夜になる可能性は、ほぼない。

そこだけは、
今から予言しておこう。

飲んで。
食べて。
しゃべって。
笑って。
またしゃべる。

おそらく途中で、
「ちょっと待って、何の話してたっけ?」
となる。
そして二人とも思い出せないまま、
別の話を始める。

……たぶん。
いや。

かなりの確率で。

そんな秋の夜長も悪くない。

でも、それはもう少し後のお話。
今はまだ、
白い午後の入口に立っている。

何も決まっていない時間には、
何も決まっていない時間の面白さがある。

ドアが開くのか。
開かないのか。
誰かの色が飛び込んでくるのか。
それとも森村ひとり、
また何か書き始めるのか。

それは、そのときになってからのお楽しみ。

というわけで。
身支度よし。
心ならし、よし。
暖簾、よし。

森村、本日も
ぼちぼち参ります。

ただし——暇だからといって、
おとなしくしているとは限りません。

そこだけは、
どうぞお忘れなく。

それでは。
森村、午後の暖簾を出します。

本日も、
暖簾の向こうでお待ちしております。

— Morimura