虹。

七色だけが、虹なのだろうか。

今朝、私の心に架かった虹は、
もっとたくさんの色を抱いていた。

夜明け前の群青。
その奥に残る漆黒。
少しずつ
広がっていった白い余白。

雲の薄いグレー。
そして、朝になりきる前の太陽が
そっと落とした、
初々しいピンクゴールド。

どれも一色では終わらない。

重なり、溶け合い、また離れ、
そして再びつながっていく。

それはまるで、心そのものだった。

嬉しい。
寂しい。
ときめく。
迷う。
手放す。
また何かを受け取る。

心もまた、ひとつの色では生きていない。
その時々に色を変えながら、
それでも途切れることなく、
今日へ続いている。

今朝、大さん橋本で見た光の筋。
雲の向こうから差し込む
淡いピンクゴールドが、
白い空を染めながらいくつにも伸びていた。

私はそれを、虹だ。

と思った。

空に架かった虹ではない。

私の心に架かった虹。

昨日から今日へ。
群青から白へ。
迷いから余白へ。
そして、これから始まる一日へ。

その向こう側に、
まだ見たことのない景色がある。

ならば私は、
この虹の橋を渡っていこう。

急がなくてもいい。
まっすぐでなくてもいい。
立ち止まってもいい。
色が変わってもいい。

虹は、同じ色のままでは虹にならない。
違う色が並ぶからこそ、
ひとつの光になる。

きっと心も同じ。

いろんな思いを抱え、
いろんな色に染まり、
やがて白へ還り、
また新しい色を迎える。

それを繰り返しながら、
私は今日も歩いていく。

今朝の一文字は、「虹」
心が晴れたからではない。
それよりもっと近い。
心が、光っていたから。

虹架けて
白き余白を
渡りゆく
今日という空
光まといて

— Morimura