朝からずっと、
あっちの世界、こっちの世界。

気がつけば馬車道では
かぼちゃの馬車に乗り込み、
紳士に手を取られ、
すっかりシンデレラ気分。

あらまあ。

朝からずいぶん派手に夢を見たものです。

しかも、その魔法、
とっくに解けたはずなのに、
まだ少し残っているみたい。

だから今夜は、
いつもの店仕舞いではなく――
ガラスの靴を片方脱いで、
ドレスの裾をちょこんと持ち上げて、

「森村、本日の営業はこれにて終了です」

かぼちゃの馬車は車庫へ。

シルクハットの紳士も本日は解散。

残った私は、
ちょっぴりシンデレラの余韻を
まとったまま、
今夜の暖簾をそっと下ろします。

また明日、
どんな魔法にかかるかは――
そのときのお楽しみ。

— Morimura