真っ白な空だった。
霧のような白。
水墨画さえ描かれていない、
ただ静かに広がる白。
その中で、
ひとつだけ鮮やかな色が浮かんでいた。
ターコイズブルー。
そして、黄色。
遠い海へ向かう船の色が、
まるで余白の中に
最初の一筆を置くように輝いていた。
風が吹く。
やわらかく、
ときに強く、
私の心の奥までさらっていく。
雨にも負けず。
風にも負けず。
嵐の中でも、
私は私の光を失わずにいたい。
水平線の向こうには、
何があるのだろう。
まだ誰も魅たことのない国。
まだ名前もついていない景色。
まだ形になっていない希望。
それは遠い海の彼方ではなく、
もしかしたら
私の心の中に広がる白い国なのかもしれない。
余白は、何もない場所ではない。
そこには、
これから出逢う色を置ける。
これから聞く音を置ける。
これから生まれる言葉を置ける。
そして、その国の真ん中に立つのは、
いつだって私。
風に吹かれながら、
雨粒を受けながら、
私は今日も
まだ魅ぬ光の方へ歩いていく。
水平線の向こうには、
きっと、私だけの未来が、
静かに光っている。
水平線の向こうには|第四章 詩章|白い国、風のなかに
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