ふと目が覚めると、
時刻は15時40分だった。
どうやら2時間ほど眠っていたらしい。
17時30分からご予約をいただいている。
もう少し。
あと1時間くらい寝ちゃおうかな。
そう思っていたのだけれど。
台風はどうなるのかな。
明日の電車は大丈夫かな。
予定通りに帰れるのかな。
そんなことを、あれこれ考えているうちに、
なんだかすっかり目が冴えてしまった。
居場所の片づけをして、
出かける用意をして。
一度眠ってしまったから、
メイクも少し直したいし、髪も整えたい。
そんなことをしていたら、
30分なんて、きっとあっという間。
17時には起きるつもりだったから、
残されたのは、あと1時間ほど。
だったらもう、この1時間くらいは
台風のことも、
明日の電車のことも、
ちょっと横へ置いておこう。
日記でも書こうかな。
そう思って、少しだけ外の空気を吸いに出た。
寒っ。
風が冷たい。
雨はだいぶ小降りになっていたけれど、
まだ、ぽつり、ぽつりと降っている。
それにしても。
横浜に来ると、
なんだか雨ばっかりのような気がしてきた。
まあ、その雨のおかげで
いくつもの心の旅ができたのだから、
悪いことばかりではない。
でもね。
HOKAを乾かすのは、本当に大変だった。
もう、靴乾燥機でも欲しいくらい。
少しお腹も空いてきた。
ちょっとコンビニへ行こうかな。
なんて一瞬思ったけれど、
これから逢うあなたとは、
まずお食事に行く約束をしている。
だったら、ここは少し胃を休ませておこう。
コーヒーでも飲んでいようかな。
風さん、そこにいる?
「いるよ! 外は、とっても寒いね!」
でもね。
中も、とっても寒いのよ。
だから私、毛布をかぶってるんだあ。
「そうなんだあ。
だったら、睡眠貯金もたいへんだね!」
うふふ。そうね。
まあ、私はすぐに寝ちゃうけどね。
そんなことを話していたら、
ふと昨日入ったコンビニのことを思い出した。
そういえば、
あそこ、もう暖房が入っていたなあ。
これだけ寒いと、
秋が深まりゆくのも早くなるのかなあ。
そう思った瞬間、
今朝の景色が、ふっと心に浮かんだ。
銀杏の木の下を歩いていたら、
銀杏がいっぱい落ちていた。
ああ、秋だなあ。
そう思った途端、
さっきまで台風だの、電車だの、
明日の予定だのと忙しかった心が、
ころん。と、秋の方へ転がっていった。
銀杏。
栗。
さつまいも。
あらあら。
気がつけば、
心はすっかり秋の味覚へ。
ほんの少し外へ出ただけなのに。
冷たい風に触れて、
雨の匂いを感じて、
今朝の銀杏を思い出したら、
先のことばかり考えていた心が、
いつの間にか、
ちゃんと今へ戻ってきていた。
残された、ほんの1時間。
台風のことは、ちょっとお休み。
今は、
毛布にくるまりながら、
コーヒーでも飲んで。
秋の小さな旅を、
もう少しだけ楽しんでいよう。
風吹けば
銀杏ころりと
秋を告げ
明日の憂いも
ひととき忘る
— Morimura
秋の味覚へ、小さな旅🍂
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