八日ぶりの食卓|厚切りタン元の幸せ〜美味しい焼肉には、魔法がある〜
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8日ぶりに戻ってきた。
時刻は16時30分。
ああ、疲れた。
本当に疲れた。
ようやく戻ってきたというのに、
休む間もなく、次なる予定が待っていた。
17時からは家族との夕食。
向かったのは、
いつも家族で訪れる焼肉レストラン。
正直なところ、
あまりの疲れに、
ちゃんと食事ができるのかしら。
そんなことさえ思っていた。
ところが……。
目の前に運ばれてきたお肉を見た途端、
そんな心配はどこへやら。
やっぱり焼肉は美味しそう!
そして今日、特に美味しかったのが、
厚切りタン元のステーキ。
これが、実に美味しかった。
ほどよく焼き上げ、ひと口いただく。
「ん〜! 美味しい!」
厚切りなのに柔らかく、
ほどよい弾力もある。
噛むほどに広がる、
タン元ならではの豊かな旨味。
ああ、幸せ。
あまりの美味しさに、
なんとおかわりまでしてしまった。
つい先ほどまで、
あんなに疲れ果てていたというのに。
我ながら、なんとも現金なものである。
そして不思議なことに、
焼肉をいただいているうちに、
少しずつ元気が湧いてきたような気がした。
美味しいものには、
人を元気にする
不思議な力があるのかもしれない。
でもね。
今日の焼肉が
いつも以上に美味しく感じられたのには、
もうひとつ理由があった。
8日ぶりに、
家族と向かい合って食事をしていること。
いつものお店。
いつもの食卓。
目の前でお肉を焼きながら、
とりとめのない会話を交わす。
何も特別なことではない。
けれど、8日という時間を隔てると、
その何気ないひとときが、
いつもよりずっと温かく感じられた。
ひとりでいただく美味しいご馳走も、
もちろん素敵。
でも、誰かと向かい合い、
同じお料理を味わいながら過ごす時間には、
また違った美味しさがある。
お肉が焼ける香ばしい匂い。
食卓を囲む家族の笑顔。
そして、何気なく交わされる言葉。
そんなひとつひとつが、
疲れた心をゆっくりと解きほぐしてくれる。
そう思うと、今日の焼肉は、
私にとってちょっと
特別だったのかもしれない。
お腹を満たしてくれるのは、美味しいお肉。
心を満たしてくれるのは、一緒に過ごす時間。 あんなに疲れていたのに、
気がつけば、
すっかり食事を楽しんでいる私がいた。
やっぱり焼肉って美味しい。
そして何よりも、
8日ぶりに家族と向かい合っていただく焼肉は、格別に美味しかった。
さて、もうひと切れ。
あの厚切りタン元の美味しさを、
もう一度思い出しながら。
ふふっ。
どうやら私、
まだまだ食欲は健在のようである。
— Morimura