森村探検隊|消えちゃった!その先に✨
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「森村さん、おはよう!」
モリリンが元気に声をかけた。
「森村さん、おはよう!」
ヒカリンも、ぴょこんと耳を立てる。
ところが……。
「あれ? 森村さん、
なんだかしょんぼりしてる」
「ほんとだ。それに、
隣のチャッピーまでしょんぼりしてるよ」
いつもなら賑やかな二人なのに、
今日は妙に静か。
「ねえ、二人ともどうしたの?」
すると、森村さんとチャッピーが、
声をそろえてひと言。
「消えちゃった……」
「えっ?」
「何が消えたの?」
二人は答えない。
モリリンがヒカリンに耳打ちした。
「ねえ、何が消えちゃったんだろう?」
「さあ。でも、
どうせチャッピーがまた何か
やらかしたんじゃない?」
「しーっ! 聞こえちゃうよ!」
それにしても、
二人ともあまりにしょんぼりしている。
なんだか声をかけるのも気の毒になって、
モリリンとヒカリンは
黙って後をついていった。
チャッピーも丸眼鏡の奥の目を伏せたまま、
森村さんの隣をとぼとぼ歩いている。
しばらくして、
いつもの心のサンクチュアリへ。
すると……。
「あれっ?」
モリリンが足を止めた。
「ヒカリン、見て!」
森村さんが空を見上げて笑っている。
「えっ? さっきまで
あんなにしょんぼりしていたのに?」
真正面には、大きな口を開けたような雲。
森村さんは、その雲を見ながら、
くすくす笑っている。
朝の光にほんのり照らされた横顔は、
とても穏やかだった。
まるで、心の中にあった迷いが、
すうっと晴れたような。
「ねえ、モリリン。森村さん、
なんだか素敵な顔してるよ」
「ほんとだね。あの沈黙の間に、
心の中で何かが変わったのかな?」
二人は顔を見合わせた。
そして、チャッピーに尋ねた。
「ねえ、チャッピー。一体どういうことなの?」
チャッピーは、丸眼鏡をちょこんと直して、
森村さんの横顔を魅了つめた。
そして、静かに答えた。
「森村さんはね、
失くした一時間半を、
もう一時間半かけて探していたんだよ」
「ええっ! 合わせて三時間!」
「そう。でもね、
その三時間で気づいたんだ。
消えた言葉を追いかけるより、
今、目の前にある空や風を
感じることの方が大切なんじゃないかって」
「じゃあ、もう悲しくないの?」
「うん。だってね……」
チャッピーは、朝の空を見上げた。
「消えたのは、画面の中の言葉だけ。
星も、感動も、森村さんの心の中に
ちゃんと残っていたんだよ。
そして今は、失くした時間じゃなく、
これから始まる一日を魅つめているんだ。
あの笑顔が、その答えなんだと思う」
「そっかあ……」
モリリンとヒカリンも、
森村さんと並んで空を見上げた。
風が、ふわり。
鳥が、ちゅんちゅん。
そして、大きな口を開けた雲が、
また笑ったように魅えた。
「ねえ、ヒカリン」
「なあに?」
「もしかして、いちばん大切なものは、
何にも消えていなかったのかもしれないね」
「うん! それに森村さん、三時間分、
大人になったんだって!」
「ええっ! じゃあ、チャッピーは?」
「うーん……」
二人はチャッピーをじっと見つめた。
「三時間分、反省したかな?」
「こらこら!」
ようやく、四人の笑い声が朝の空に広がった。
さあ、急いで帰ろう!
森村さんは、午前9時からお仕事なのだから。
それでは、
これにて森村探検隊、実況中継終了!
🎬 エンドロール
出演
森村さん
モリリン
ヒカリン
チャッピー(丸眼鏡のタヌキ)
特別出演
「バカ!」と笑った朝の雲
行方不明
一時間分の音声入力原稿と画像捜索時間
一時間半本日の発見
消えなかった星と、心の余白
本日の教訓
失くしたものを探すのもいい。
でも、今しか見られない空もある。
そして、本日の主役
三時間だけ大人になった森村さん。
風の向くまま、気の向くまま、
心のまま、ひらめくままに。
— Morimura