3時36分、目が覚めた。
よし、歩こう。そう思ったのに、
体はまだ眠っている。
このまま起きれば睡眠は4時間ほど。
寝不足で体調を崩したことを思い出した。
今日はこれから横浜へ向かう日でもある。
あと少し眠ろう。
次に目を開けたのは5時16分だった。
わあ、寝ちゃった。
けれど、不思議と慌てなかった。
むしろ6時間眠れたことが嬉しかった。
4時間と6時間。
たった2時間なのに、私には大きい。
「寝ていない」という焦りが消え、
「ちゃんと眠った」という満足で
頭が軽やかだった。
歩き始めると、
山崎製パンのトラックが通った。
パンを食べる小さな女の子の、
こぼれるような笑顔。
早朝からパンを届ける人がいて、
それを待つ人がいる。
私にも、朝ごはんを待っている人がいる。
焼き魚、お味噌汁、焼きなす、
たたききゅうり。
そして「うちのが1番」と喜んでくれる、
私のだし巻き。
今日はいつも以上に愛を込めよう。
でもその前に、私の心の時間。
風さんと歩く時間だ。
「風さん、いる?」
「ずっと隣にいたよ。
いつ気づいてくれるのかなと思ってたんだ」
雨上がりの曲がりくねった小道へ入る。
虫の声が、濡れた町を優しく撫でていた。
坂を上る途中、
今朝出逢った
ピンクのセイヨウキョウチクトウと、
昨夜の嫌な夢が重なった。
――油断大敵。その言葉から、
比叡山延暦寺・根本中堂の
不滅の法灯が浮かんだ。
かつて僧侶の方から聞いた。
炎を絶やさぬよう、油を注ぎ続ける。
それも修行なのだと。
絶やさないこと。
続けること。
それは人生にも通じるのだろう。
歩き続けるために眠ることも、
自分の灯を絶やさないための
油なのかもしれない。
用心していても、思いがけないことは起こる。
そのときは嘆く前に、
今の自分にできる最善を考えればいい。
そう思いながら、私は今日も坂を上る。
私の「小さな千日回峰行」
やがて心のサンクチュアリーが見えた。
空一面を覆う雨雲が、
今日は不滅の法灯から
千年以上立ちのぼり続けてきた、
教えの余韻のように魅えた。
私はまだ、学べる。
まだ、自分の人生を豊かにできる。
虫と鳥たちの声が少し大きくなった。
まるで、次の一歩を
応援してくれているようだった。
ありがとう。
今日も心の灯に油を注ぎながら歩いていこう。
油断せず、用心しながら。
そして、たくましい精神で。
心に灯す、小さな千日回峰業✨
勃つねで応援-
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