14時30分のアラームで目を覚ました。
30分ほど眠っていたらしい。
起きたての頭は
まだぼんやりとしていたけれど、
外へ出て強い風に吹かれているうちに、
だんだん目も頭も冴えてきた。
天気予報には14時頃から雨マーク。
念のため、ビニール傘2号を持ってきていた。
今日もこの傘に、
また少し遊び心を加えられたらいいな。
もし描くなら、
今日はどんな絵になるだろう。
ねえ、風さん。
あなたなら、どんな絵を描く?
そんなことを思っているうちに、
次のドアが開きました。
迎えてくださったのは、
穏やかで優しい笑顔が素敵なあなた。
「はじめまして」
そうご挨拶して隣に座ると、
あなたは、
お店のサイトを見たときから
ずっと気になっていたこと、
でもなかなか日程が合わず、
今日やっと逢えた、と話してくださった。
そんなことをいきなり言われたら、
私、嬉しくなってしまう。
話す声も、言葉の選び方も、物腰も柔らかい。
ひとつひとつに触れているうちに、
きっととても気遣いのできる、
穏やかで優しい方なのだろうと思った。
最初に感じた印象は、
どうやら当たっていたみたい。
あなたの顔を魅つめていると、
何か言いたそうな気配がした。
「わかってるわ。
お姉さんに任せる、でしょ?」
そう言うと、
あなたは少し照れたように、
「お願いします」と答えた。
なんだか、かわいい。
そっと優しく触れると、
声には出さなくても、
その気持ちが伝わってくるようだった。
それが私には嬉しかった。
そして今度は、あなたからのお返し。
服の上からでは
わからなかった逞しい腕にすっぽりと包まれ、
優しく触れられていると、
いつの間にか私の方が
その温もりに身を預けていた。
特に運動はしていない、
とあなたは言ったけれど、
やっぱり私の見立て通り、
どこか体育会系のスポーツマンらしさがある。
年下のあなたなのに、
その腕の中にいると、
私の方が守られ、
エスコートされているようで、
ほんの少しか弱い女性に
なったような気持ちになった。
そのあとも、いろいろな話をした。
物静かなあなたと、
言葉をひとつずつ重ねるたび、
最初にあった距離が
少しずつ縮まっていくようだった。
そのことが何より嬉しかった。
「またお逢いできたら嬉しいです。
待っていますね」
そう言って、あなたとお別れした。
ホテルを出ると、
予報通り、
外にはぽつぽつと雨が落ちていた。
あなたと過ごした時間の余韻を抱えたまま、
その雨を眺める。
これはきっと、
乾いていた何かを静かに潤してゆく雨。
さっきまでのときめきが、
胸の中でやわらかな水になって
広がっていくようだった。
風さん。
一緒に歩こう。
この雨の中を、次のドアまで。
雨、心うるおふ✨
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