雨がポツリポツリと降る中、
風さんと一緒に次のホテルへと向かった。
どうやらホテルの場所が変更になったらしい。
少し近いところになったから、
むしろよかった。
それにこのホテルには、
お水とお顔パックがあるのよね。
お部屋へ向かう前に、
ペットボトルのお水を2本、
お顔パックを2つ、
そっとバッグの中へ入れた。
少しだけ、ずしっと重くなった。
そして、次のドアが開きました。
迎えてくださったのは、
そのお顔を見るだけで、
ぱっと周りまで明るくなるような、
とても朗らかなあなたでした。
お逢いして間もないのに、
「綺麗な人」
「本当に綺麗ですね」
そんな言葉を何度も何度も
口にしてくださるから、
なんだか私は、
ふわりと宙に浮いてしまいそうな
気持ちになった。
その嬉しさが
残っていたからなのかもしれない。
事前にリクエストをいただいていたので、
今度は私のほうから、
そっとあなたに抱きついた。
けれど、初めてお逢いする方だから、
一応もう一度確認してみた。
少し余計だったかな。
そんなことを思ったけれど、
あなたはとても嬉しそうなお顔で、
うんうん、と頷いてくださった。
その表情を見た瞬間、
私まで嬉しくなった。
触れ合うたび、
あなたは何度も声に出して喜んでくださる。
その嬉しそうなお顔。
その弾んだ声。
それを聞いていると、
こちらまでどんどん楽しくなってくる。
この人、
人を喜ばせるのがとても上手なんだな。
そんなことを思った。
そして二人の時間は、
私からあなたへ、
あなたから私へ。
また私から、
そしてまたあなたから――と、
まるで言葉とは違う
会話を交わしているように進んでいった。
とにかく明るくて、
賑やかで、少しコミカルで。
「なんだか、せわしないわね」
そう言いながら、二人で声を上げて笑った。
そして、 あなたの腕に
ぎゅっと抱き寄せられたとき、
さっきまでの賑やかさとは
少し違う静かな時間がやってきた。
あなたの温もり。
胸の奥から伝わってくる鼓動。
ドアが開いたときには、
まだ少し距離のあった二人が、
ひとつひとつ時間を重ねるたびに、
少しずつ、少しずつ近づいていく。
そのことが、なんだか嬉しかった。
そして今度は、ゆっくり会話を楽しんだ。
一度距離が縮まったあとの会話は、
不思議なくらい自然だった。
仕事のこと。
人との関わりのこと。
人間力のこと。
艶やかな時間もあれば、
思わず笑ってしまう時間もあり、
真面目に言葉を交わす時間もある。
あなたは、人を嬉しくさせるのが上手で、
場を明るくするのも上手。
きっとお仕事でも、
たくさんの人の心を
動かしている方なんだろうな。
そんなことを思いながら、
あなたの話を聞いていた。
素の自分を出して、
笑って、
触れ合って、
そして少し真面目な話もして。
ひとつの色では言い表せない、
とても人間味のある時間だった。
「また待ってるね」そう言って、
あなたとお別れした。
ホテルを出ると、
雨がまたポツリ、ポツリと落ちてきた。
行くときにも降っていたはずの雨なのに、
帰りの雨は少し違って感じられた。
心に何かを満たしたあとの雨。
たくさん笑って、
嬉しい言葉をもらって、
温もりに触れて、
心と心で言葉を交わして。
さっきまでより少しだけ潤った私の心を、
雨粒たちが知っているみたいだった。
ポツリ。
また、ポツリ。
雨は静かに降りながら、
――今日は、心までちゃんと潤ったね。
そう風さんと一緒に、
私へ囁いているようだった。
雨、心を潤す✨
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