アラーム音で目が覚めた。
一瞬、何の音かわからないくらい
熟睡していたみたいだ。
19時30分から眠ったから、1時間半ほど。
寝起きの頭はぼんやりしていたけれど、
ひとつ、またひとつと
やるべきことを済ませているうちに、
いつの間にか頭も目を覚ましていた。
少し気が早いけれど、
今日の居場所も片づけた。
仕事から戻ったら、
すぐに帰れるように。
外へ出ると、さっきまでのポツポツ雨は、
いつの間にか激しい雨へと変わっていた。
風も冷たい。
今から向かうホテルは、
15時間前の私が朝の散歩で前
を通った場所だった。
同じ今日の出来事なのに、
それはもう過ぎ去った過去。
そこを歩いていた私も、
すでに過去の私なのだ。
ザーザーと降る雨の中に、
時間の流れを魅る。
雨音が
何かを語りかけてくれているようだった。
その言葉が何なのか、今はまだわからない。
ビニール傘2号を手に、雨の中へ。
そして、本日最後のドアへ。
エレベーターホールまで
迎えに来てくださったあなた。
伺っていた服装で私が気づくより先に、
車から降りる私を見つけ、
にっこり笑って会釈をしてくださった。
なんだか、爽やかな風を感じる人だった。
二人でドアを開ける。
少しお酒を飲んでいるのかな、
と思ったけれど、
どうやらかなり楽しんでいたらしい。
それでも話はしっかりしていて、
今日は思いきりオフの時間を楽しみたい、
そんな気持ちが伝わってきた。
私にとっても、あなたが今日最後の人。
少し年齢は違うけれど、
不思議と話が通じる気がした。
ビールで乾杯し、
あなたは焼酎を飲みながら、
二人でいろいろな話をした。
遊びの話も、仕事の話も。
仕事に一生懸命向き合うあなたの姿が
言葉の端々から伝わってきて、
その頑張りがどこかいじらしく思えた。
私からあなたに触れる。
肌の温もり。
胸に伝わる鼓動。
そしてあなたから返ってくる温もり。
初めて逢った二人なのに、
いつしか心と心まで
ゆっくり溶け合っていくようだった。
もっとあなたを知りたい。
もっと分かり合えたらいい。
雨降る夜にほんのひととき現れたその時間は、
私が毎朝、
海で魅つめている
ピンクゴールドの光のようだった。
ありがとう、あなた。
また逢える日を、心待ちにしています。
外へ出ると、雨はまだ降っていた。
来る時ほど激しくはなく、
今度は静かな、しとしと雨。
しとしと、しとしと。
その音が耳をくすぐり、
やがて心の中で旋律になる。
今日の雨は、ただ私を濡らしたのではない。
過ぎてゆく時間を魅せ、
誰かの温もりを運び、
そして最後には、
私の心まで静かに潤してくれた。
さあ、迎えの車が来た。
お店へ戻ろう。
そして、今日という一日の
最後のページを開こう。
雨、心を潤す✨
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