待機所に戻った。
次のご予約は17時30分から。
けれど、なぜだろう。
あなたはきっと、
少し早く来てくださるような気がしていた。
だから私は、
もう今日の居場所を片付け始めていた。
あなたとの時間が終わったら、
すぐに帰れるように。
そうしているうちに届いた、
あなたが入室されたというメール。
やっぱり。
少しでも早く逢いたくて、
私はすぐにあなたのもとへ向かった。
そして、次のドアが開きました。
そこには、
いつものあなたの優しい笑顔がありました。
「嬉しい」
ほとんど抱きつくような勢いで
部屋へ入りながら、
「うわあ、お久しぶりだから嬉しい」
そう口にした。
けれど考えてみれば、
「お久しぶり」と言うほど
長い時間が経ったわけではない。
2週間にも満たなかったかもしれない。
それでも、
あなたとは毎週のように逢っていたから、
私にとってその時間は
ずいぶん長く感じられた。
だからこそ、変わらない優しい笑顔も、
温かなまなざしも、
あなたのまごころも、
今日はいつも以上に嬉しかった。
二人でソファに横並びに座る。
テーブルにはホテルで用意した
たくさんのおつまみ。
ハートランドで乾杯して、
逢えなかった日々のことを
少しずつ語り始めた。
そして話題は、いつものように私の日記へ。
毎日読んでくださっているあなたが、
感じたことを話してくださる。
ときには二人で議論して、
ときには笑って、
気になったことを一緒に調べる。
今日などは、
話しているうちに二人の心は
奈良へ飛んでいった。
遠い古代を歩いたと思えば、
次の瞬間には横浜へ戻ってくる。
そして今度は、
頭の中で二人一緒に横浜の街を巡っていた。
不思議だなと思う。
ソファに座ったままなのに、
あなたと話していると、
いくつもの時代へ、
いくつもの場所へ旅をすることができる。
そんなあなたとの語らいが、
私はとても好きだ。
楽しいだけではない。
言葉を交わすたびに、
お互いの考えていることが
少しずつ見えてくる。
そして、そのたびに心の距離が
少しずつ近づいていく。
初めて逢ったのは、まだ8月。
それなのに、
もうずいぶん前から
知っている人のような気がする。
横浜へ来るたび、
いつも逢いに来てくださるあなた。
私にとっては、
あなたに逢えることそのものが、
横浜からもらう
最高のプレゼントになっている。
そして今日、次に逢える日も決まった。
私は15日から、また横浜へやってくる。
「15日も18時から」
そう言って予約を入れてくださったあなた。
ありがとう。
以前なら、横浜へ来ることに少し迷ったり、
考えたりすることもあった。
でも今は違う。
次に横浜へ向かうときは、もう悩まない。
迷わない。
いざ、横浜へ。
そして、あなたのもとへ。
そう心の中ではもう決めている。
別れの時間が近づいた。
本当は、もっとずっと一緒にいたい。
けれど今日は、
不思議とそれほど寂しくなかった。
次に逢える日が、もう決まっているから。
「じゃあ、また15日」
そう言ってあなたと別れた。
閉じたドアの向こうに
あなたの温もりを残しながら、
私の心には、
次の約束が小さな灯りのようにともっていた。
逢えなかった時間があったからこそ、
今日また確かめられたものがある。
会話を重ねるたび、
笑い合うたび、
同じ景色を心の中で旅するたび、
二人の間にあった距離は、
静かに、けれど確かに縮まっている。
そして15日。
またひとつ、ドアが開く。
その向こうにある、
あなたの優しい笑顔を思いながら。
心、また近づく✨
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