歩いてきた道がある。
若い日の私が歩いた道。
今日の私が歩いた道。
同じ石を踏んでも
聞こえる足音は
もう同じではない。
痛みを抱いた足も、
遠い日の記憶も、
朝の風も、
みんな私を
ここまで連れてきた。
風さんが
髪を揺らす。
昨日までの夏を
ひとひら、
背中からほどくように。
振り返れば、
そこには過ぎた季節。
顔を上げれば、
目覚めゆく朝の町。
そのあいだに立って
私は気づく。
季節は
去ってゆくのではなく、
次の季節へ
私たちを渡してゆくのだと。
だから今日も歩こう。
少し痛む足でいい。
急がなくていい。
私の足音で、
私の速さで。
夏の光を
ほんの少し胸に残し、
まだ見ぬ秋へ。
そして――まだ見ぬ私へ。
秋、足音に宿る✨
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