そしてホテルまで迎えに来ていただいて、
次のホテルへと向かった。

ホテルまで送ってもらえるなんて、
なんだかちょっと得した気分。
おそらく次が、今日最後のドアになるだろう。

車の窓から流れていく夜の街を眺めていた。
昼間、ランチの帰り道に
あなたと歩いたこの街。
同じ道、同じ建物なのに、
夜になるとまるで別の表情を魅せる。
昼の私と、夜の私。
同じ私なのに、心の色も少し違う。

車を降り、
お店から届いたメールを確認する。

あらあら。

そこにあった名前を見て、
思わず頬が緩んだ。

昨日、初めて逢ったあなた。
もう一度、逢いに来てくださったのね。

待ち合わせ場所へ行くと、
あなたはもう待っていてくださった。
「まあ、逢いに来てくださったのね」
「しばらく逢えないから、
顔を見ておかないといけないなと思ったんだよ」

嬉しい。
昨日初めて逢ったばかりなのに。
たった一夜を越えただけなのに。
もう一度逢いたいと思ってくださった。
その気持ちが、ただただ嬉しかった。

そして二人で、今日最後の扉を開けた。
昨日も思ったけれど、
あなたとは不思議なくらい話が合う。
気さくなあなたと話していると、
その場の空気までぱっと明るくなる。

そして私を魅つめる
優しい眼差しに包まれていると、
心までゆっくりほどけていった。

今日もいっぱいくっついて、
いっぱい笑って、
いっぱいおしゃべりした。

そして話は、いつしか次のデートへ。
「今度は長い時間を取ってあげるよ。
一緒に飲みに行って、ご飯を食べに行こう。
それからホテルへ行こう」
「いやいや、先にホテルに行って、
それからご飯。
それからまたホテルに戻るのも
楽しいんじゃない?」

そんな行ったり来たりもいいね、
と二人で笑った。

まだ今日の時間さえ終わっていないのに、
もう次に逢う日の話をしている。
それがなんだか、とても嬉しかった。

今日最後のドアは、
一日の終わりを告げる扉では
なかったのかもしれない。

昨日から今日へ。
そして今日から、まだ見ぬ次の日へ。
一つの扉の向こうに、
もう次の楽しみが続いていた。

あなたがまた逢いに来てくださる日を、
心待ちにしています。


一夜越え
また逢う笑顔
灯にほどけ
次なる扉を
ふたりで描く


— Morimura