しばらくカフェでぼーっとしながら、
スケジュールを眺めていた。
落ち着いて見直してみると、
抜けていたことや、
日にちを間違えて入れていたことが
いくつか見つかった。
やっぱり、こんな時間も必要なんだな。
走り続けていると、
見えているつもりで見えていないものがある。
小一時間ほど
何もしないような時間を過ごしただけで、
それに気づけたことがおかしくて、
一人で笑った。
そして、あなたの待つホテルへ。
駅からトコトコ歩く。
風がとても気持ちいい。
見上げれば、
鮮やかな深いブルーに真っ白な雲。
まるで絵具を
そのまま空いっぱいに塗ったような、
嘘みたいに鮮やかな色だった。
そんな空に見とれていると、
ホテルの前で待っていた
あなたに声をかけられた。
振り向くと、
太陽の光の中に
あなたの優しい笑顔があった。
嬉しい。
やっと逢えた。
逢えなかったのは昨日だけなのに、
ずいぶん久しぶりに逢えたような気がした。
あなたが差し出してくれた手を取る。
その温もりに触れた瞬間、ふっと思った。
ああ、もう私は何も決めなくていい。
何も考えなくていい。
ただ、あなたについていけばいい。あなたに導かれるままに。
あなたに身を委ねていればいい。
そう思った途端、
肩に入っていた力がすーっと抜けた。
あなたの腕に
もたれかかるようにして歩く私がいた。
ランチを楽しみ、
少しだけのつもりだったビールも、
お料理がおいしくてついつい進む。
ハートランドがおいしすぎて、
結局、紹興酒のことまで忘れてしまった。
そして客室へ。
窓の向こうに広がる景色を見た瞬間、
思わず声が出た。
わあ、素敵。
このお部屋で、
今日は夜まであなたと一緒にいられる。
それだけで嬉しかった。
お風呂上がりに、また乾杯。
ソファに横並びになって、
くっついて、つまんで、飲んで、笑って、語る。
あなたとは何度逢っても、
話したいことが尽きない。
そして私は、あなたの優しさの中へ。
導かれるまま、身を委ねていた。
何かを頑張る必要もない。
何かを決める必要もない。
ただ包まれていることが、
こんなにも心地いい。
また乾杯して、また語り合う。
語りすぎて、
とうとう2回も延長していただいた。
それでもまだ足りないように、
いつの間にか二人はまた抱きしめ合っていた。
窓の外には美しい夜景。
その光に照らされながら、
あなたの腕の中にいると、
私の心にはいつもの色が浮かんでくる。
群青。
深く、青く。
さらに深く。
あなたの優しさに包まれるたび、
目の前の世界まで静かな群青へ染まっていく。
昼間に見上げた、
あんなにも鮮やかな青空とは違う。
一日の終わりに辿り着いたのは、
二人だけが知っている、
深い深い青だった。
長い時間をありがとう。
本当に幸せだった。
嬉しかった。
また逢える日を楽しみにしています。
そう言って部屋を出たあとも、
私の心にはまだ、
あなたの手の温もりと群青の光が残っていた。
手をとれば
ほどけてゆく心
夜の窓
あなたに染まり
群青となる
— Morimura
群青、やさしさに身を委ねる✨
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