「今日は暇かもしれない」
そう思った瞬間、
私の中ではもう何かが動き始めている。
暇だから、何もしない。
ゆっくりしていよう。
どうやら私は、
そんなふうにはできていないらしい。
時間に小さな余白ができると、
それまで忙しさの陰に隠れていたものが、
ひとつ、またひとつと顔を出す。
そうだ、あれができる。
これも片づけられる。
ずっと手つかずだったものもある。
見つけるたびに、なぜだか嬉しくなる。
そして私は、せっかく生まれた余白の中へ、
ひとつずつ予定を置いていく。
今日もそうだった。
台風25号の接近で、
外は落ち着かない空模様。
お店には出勤しているけれど、
どうやら今日は静かな時間が
続きそうな予感がする。
これも、ある意味「暇」
こんな日は、
ひたすら睡眠貯金をすればいい。
そう思うのに、
私はまた余白の中へ、
大好きな日記を連れてきてしまった。
あれも書こう。
これも書こう。
心に浮かんだものをひとつずつ言葉に乗せ、
日記の中へちくちくと縫い込んでいく。
そして一篇ができあがり、アップする。
これでひとつ終わった。
……はずなのに。
書き終えた言葉の向こうから、
また次の思いが顔を出す。
それを拾って言葉にしているうちに、
今度は新しいイメージが膨らんでくる。
そして、その景色を眺めていたはずなのに、
いつの間にかその先に、
まだ知らなかった
小径まで見つけてしまった。
ひとつ書けば、
ひとつ終わるのではなかった。
ひとつ書くたび、次の扉が開いていく。
暇だったはずの時間が、
私に新しい径をいくつも見つけてくれた。
それが、なんだかとても嬉しい。
もしかすると私は、
余白を埋めているのでは
ないのかもしれない。
何も描かれていなかった白い場所へ立って、
「この先には何があるのだろう」と
歩き始めているだけなのだ。
そして歩けば、また径が見つかる。
言葉の小径。
音の小径。
色の小径。
今日まで知らなかった道が、
余白の向こうへ伸びていく。
「あら。
せっかくゆっくりしようと思っていたのに」
そう思って、また少し笑う。
睡眠貯金は、いったいどこへ行ったのやら。
まあ、いいか。
今日という余白から、
私はまた新しいものを見つけたのだから。
暇がないのではない。
暇を見つけると、
私はそこから径をつくってしまう。
貧乏暇なし。
でも今日だけは、
ちょっと言い換えてみよう。
余白あれば、小径あり。
なんとも私らしい。
余白から
ひとつの言葉
芽を伸ばし
またその先に
小径生まれる
— Morimura
言葉の小径|余白、また径を見つける✨
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