長い一日が終わろうとしている。

まだ、
いつもの一日を閉じる時間には少し早い。
台風の接近で、
今日はきっと静かな一日に
なるだろうと思っていた。

実際、
お仕事という意味では静かな時間が流れた。

けれど今、一日を振り返ってみると、
不思議なくらい「退屈だった」
という感じがしない。

むしろ私の心は、
朝からずっと忙しかったような気がする。

何かを思いついては面白がり、
そこからまた別のことを考え、
「あ、それもいい」と横道へ逸れる。

ひとつ終われば、また次。

今日は誰かに予定を与えられたわけでもない。
時間に追い立てられたわけでもない。
それなのに私は、
自分で自分を楽しませながら
一日を過ごしていた。

考えてみれば、
私は昔からそうなのかもしれない。
何か特別な出来事がなければ
楽しくないわけではない。

目の前にある小さなものを拾って、
少し眺めて、
ひっくり返して、
そこから何かを思いつく。

そして、それを面白がる。
そんなことが私は好きなのだ。

今日一日の物語も、
最終章に入ろうとしている。

今日、お仕事は静かだった。
外では台風が近づいている。
本当なら、
少し物足りなさを感じても
おかしくない一日だったのかもしれない。

でも私は今、妙に満足している。

誰かが楽しい一日を
用意してくれるのを待っていたわけではない。 

私は今日、自分で自分の一日を遊んだ。
それが、なんだか嬉しい。

もちろん、お仕事が忙しくて、
たくさんのドアが開く日も好き。

誰かと逢い、笑い、心が動く一日も好き。

けれど、こんな日も悪くない。

外の世界が静かなら、
自分の内側で遊べばいい。

何かを見つけたら、面白がればいい。

そして何も見つからなければ――
その「何もない」ことさえ、
遊んでしまえばいい。

そう考えると私は案外、
退屈するのが下手なのかもしれない。 

ふふっ。

今日も結局、
睡眠貯金はあまり増えなかった。
せっかく暇だったのに。

まあ、いいか。

今日の私は、
よく働いたというより、
よく遊んだ。
よく考えた。
そして、よく楽しんだ。

それで十分。

台風の夜。

外はまだ落ち着かないかもしれないけれど、
私の心は案外穏やかだ。

今日も一日、私らしく過ごせた。
それなら、この一日はもう花丸。


静けさに
遊びをひとつ
見つければ
今日という日が
私色になる

— Morimura