3日ぶりに、お部屋へ帰ってきた。

扉を開けると、
私がここを出たときの空気が、
そのまま残っているような気がした。
それが、なんだかとても嬉しかった。

持ってきた荷物を、ぱっぱぱっと出して。
ぱっぱぱっと片づけて。
置いていたものも、持ってきたものも、
さくさくさくっと定位置へ戻していく。

よし。

これでまた、横浜での7日間が始まる。

仕事から帰れば、
このお部屋で過ごす私の時間。

朝になれば、また歩きに出る。
同じことの繰り返しのように見えるのに、
不思議と毎回、
新しく生まれ変わったような気持ちになる。

今回は、どんな逢瀬が待っているのだろう。
どんな朝の空に逢えるのだろう。
どんな風が吹いて、
どんな言葉が生まれるのだろう。
そう思うだけで、
子どものように心が弾んでくる。

また素敵な出逢いをして。
また心のつながりを感じて。
そこで受け取ったものを、
ひとつずつ心に掬って。
白へ還して。
そしてその白を、
静かな漆黒の中へ沈めていく。
そんな時間になればいいな。

今日は18:00から出勤します。
18:00から、すでにご予約をいただいていた。
だら、そのまま最初のホテルへ向かった。
久しぶりにお逢いするあなた。
どんな顔で迎えてくださるだろう。
そんなことを思いながら歩いていた。

そして、本日最初のドアが開きました。
いつものように、
右手を少し上げて。
「よっ」
そんな軽快な雰囲気で微笑みながら、
声をかけてくださるあなた。

その姿を見た瞬間、
ああ、本当にまた逢えた。
そう実感した。
嬉しさが、
身体の奥からじわっとこみ上げてくる。

そして、いつもの流れ。
私がお風呂へ入り、
ちょうど上がった頃になると、
絶妙なタイミングでハートランドが出てくる。
これが毎回、本当にいいタイミングなのだ。
きっと、私の様子を見ながら
時間を合わせてくださっているのだと思う。
いつもありがとうございます。

ビールを飲みながら、
おつまみを食べながら、
買ってきてくださったものを温めながら、
また私は、ピザを何分チンするのか忘れる。
そして、あなたに教えてもらう。
そんな何でもないやり取りが、
どうしてこんなに心地いいのだろう。

特別な言葉ではなくても、
特別なことをしてもらわなくても、
ふとした気遣いの中に、
あたたかさを感じる。
そのあたたかさに包まれていると、
ああ、幸せだな。
そんな気持ちになる。

ほどほどに盛り上がったところで、
今度は歌。
最近あまり練習していなかったから
大丈夫かな、なんて思いながら、
結局、ビールの勢いに乗って歌いまくる私。

あなたとデュエットもして。
そして、いつものお楽しみ。
二人でビールグラスを持って、
「ビールを回せ」

飲んで。
喋って。
笑って。
歌って。
その時間が、するすると過ぎていく。
そして最後には、あなたのあたたかな胸と、
やさしさに包まれながら、
秋の夜長を、夢を見るように過ごした。

ふと隣を見ると、
そこにはあなたの横顔。
ただ、そばにいてくださる。

そのことが、なんだかとても嬉しかった。

また待っていますね。
そう言える相手がいること。

また逢いたいと思える時間があること。

横浜へ戻ってきたばかりの私の心は、
こんなやさしい再会によって、
少しずつほどけていった。

そして気づけば、
秋の夜の中で、私の心まで、
静かにあたたまっていた。

逢えた夜
いつもの笑みが
灯りとなり
白へ還して
また明日へゆく

— Morimura