そして次のドアが開きました。

「お久しぶりにお逢いできることが、
すごく嬉しい」
そんなあなたが迎えてくださいました。

そして私は、あなたの顔を見た瞬間、
少し驚いた。
前にお逢いしたときよりも、
ずっと表情が豊かで、
明るくて、なんだかとても輝いて見えたから。

「わあ、すごい。元気そうでよかった。
安心した。気になっていたのよ。
でも今日、元気な顔が見られたから嬉しいわ」

思わずそう伝えると、
あなたは少し照れたように、
「そうかな」と笑った。

でも、その言葉以上に、
私の言葉を喜んでくださっていることが、
その笑顔から伝わってきた。

逢えなかった間のことを、
たくさん話した。

あなたの近況を聞いて、
私の近況も話して。

考えてみれば、
あなたとは長いお付き合いになる。

出逢った頃のことも覚えているからこそ、
今こうして目の前にいるあなたを見ていると、
その変化がよくわかる。

以前よりも少し落ち着いて、
表情も柔らかくなって。
そんな姿を見ていると、
なんだか弟の成長を見守る
お姉さんのような気持ちになった。

そんなふうに思いながらも、
久しぶりの再会を喜ぶように、
ぎゅっと抱きしめ合った。
お互い元気にやっていることを
確かめ合うように。
離れていた時間を埋めるように。

部屋の灯りだけではなく、
心の奥まで静かに照らされているような、
穏やかで温かな夜だった。

「また待っていますね」

そう言って、
ホテルの前であなたとお別れした。

遠ざかっていく後ろ姿を見ながら、

心の中で、頑張ってね。
そう呟いた。

そして、ふと空を見上げた。
月が、本当に綺麗だった。

ただ月だけを、
こんなにもまっすぐ見つめた夜って、
これまでにあっただろうか。

誰かと逢えた喜びも、
元気な姿を見られた安心も、
見送ったあとの少しの寂しさも。
その全部を、
月の光が静かに包んでくれているようだった。

今夜は、この月のことを
もう少し書いていたい。
そんな気持ちになった夜だった。

久方の
笑顔を見送り
月仰ぐ
変わらぬ温もり
光にほどけ

— Morimura