白。

何もない色ではない。

むしろ、
何でも受け入れられる色。

昨日の満ちた思いも、
今朝の雨も、
強い風も、
水墨画のような空も、
白と黒のあはひも。

全部を抱えたあとで、
もう一度、心が還っていく場所。

白へ還るとは、
何もなかった自分に戻ることではない。

受け取ったものを消すのでもない。

ひとつずつ胸の奥へ沈め、
また新しいものを迎えられるように、
心の余白をひらくこと。

白は、終わりではない。

始まり。

何色にも染まれる。

何でも描ける。

だから私は、
今日という真っ白な一日に、
まだ何も決めずに立っていたい。

どんな色が置かれるのか。

誰がその色を持ってくるのか。

それとも、
最後まで白のままなのか。

それさえも、
今日という物語。

白。

それは、
空っぽではなく、
可能性で満ちた色。

白き紙
何色となる
まだ知らず
余白を抱いて
今日をひらかむ

— Morimura