「ねえ、ヒカリン! 今日の新幹線、
いつもと違わない?」

「えっ? あっ! チャッピーが座ってる!」

そうなのだ。
今日はチャッピーも指定席デビュー!

3列シートには
森村さん、モリリン、チャッピー。
ヒカリンは森村さんのお膝の上。

「私の席は?」

「そこが一番の特等席ですよ!」

「あははは!」

モリリンも今日はエプロンを脱いで、
おしゃれな旅行スタイル。

さて、新幹線が走り始めると、
森村さんがバッグをごそごそ。

「じゃじゃーん!」

「あっ! 三色団子!」

「森村さん、
午前中に2本も食べたんじゃなかった?」

「ふふっ。今日は特別なの!」

そこでチャッピー。
「では、三色団子の特別講義を……」

「そのお話、もう聞いた!」

「今日は食べるの!」

「あらら……」

ところがモリリン。
「ねえ、チャッピー。
そもそも三色団子って何からできてるの?」

「はい! 原材料捜査開始!」
白いお団子は米粉や砂糖。
ピンクは食用色素などで色づけ。
緑には、よもぎや抹茶を使うこともある。
もちろん、お店によって材料は違う。

「へえ! じゃあ三つとも、
同じお米から生まれてることもあるんだ!」

「そうなんです!」

するとモリリンが、
ヒカリンのおなかを指さした。

「あれ? ヒカリン、そのポケット、なあに?」

実はヒカリンのおなかには、
何でもしまえる
不思議なポケットがあるらしい。
しかも、
こっそり三色団子を3本も隠していた!

「ヒカリン! いつの間に!」

「えへへ。あとで食べるんだもん!」

まったく、食いしんぼうのヒカリン!

そのとき。

「ねえ! 窓の外!」
なんと風さんが、
三色団子を羨ましそうに覗いている。

「皆さん……私の分は?」

「えええっ!」

チャッピー、すかさず報告。
「緊急事態発生!
三席四人、車外にもうひとり!
団子の配分計画に
重大な問題が発生しました!」

「あはははは!」

「でも、風さん! 窓は開けられないよ!」

「せめて香りだけでも……」

「もう! 風さんったら!」

ふわり。
車窓には、秋の風景が流れていく。
今朝は心の中で、
過去から未来へと長い時間旅行。

そして今は、本当に横浜へ向かっている。
心の時間旅行から、今度は本当の旅へ。
ふと、三色団子を魅つめた。

ピンク、白、緑。違う色のお団子も、
もとをたどれば同じ材料に
つながっているのかもしれない。

なんだか、今朝の心の旅に似ている。

天空の群青鏡。
大地の水鏡。
そして、白い心の余白。

違う世界のようでいて、
たどれば一本の見えない糸でつながっている。

あら、三色団子って面白い。

そう思いながら、もうひと口。

「森村さん! また食べてる!」

「だって、おいしいんだもの!」

「あはははは!」

三席四人、窓の外にもうひとり。
愉快な仲間たちの横浜への旅は、
まだ始まったばかり!

つづく。

【旅立ちの一首】

三色の
団子を分けて
秋の窓
風も仲間に
港へ向かう

— Morimura