「ヒカリン! ヒカリン! 大変!」

「どうしたの、モリリン?」

「森村さん、やっと大さん橋から
地上に戻ってきた!」

「あっ、本当だ!
でも、両手に何か持ってるよ!」

「えっ、お土産?」

「あれって、三角定規じゃない?」

ここでチャッピー登場!
「ふふふ。今朝の森村さん、
冬の大三角に魅せられて、
数学少女に戻っちゃったんですよ!」

「じゃあ、また数学のお勉強?」

「いいえ!
今度は横浜の街に三角形を描くんです!」

そうなのだ。

今朝、群青の空で出逢った冬の大三角。
その感動を、
今度は地上で味わってみたくなった。

よし!

三つの頂点を決めて、横浜に三角形を描こう!

まずは頂点A。
横浜開港資料館。
まだ開館前。
鉄格子の門を握り、中をそっと覗いてみる。
あら、大きな木。
写真判定アプリで調べてみたものの、
なんだか怪しい名前が出てきた。
これは次回への宿題ね。

続いて頂点B。
神奈川県立歴史博物館。
あのドーム屋根の建物!
確か馬車道だったわよね。
森村隊長、自信満々で歩き始めた。

途中、懐かしい馬車道駅7番出口。
あの頃、よくパンを買いに行ったな。
ピアノを弾く方と出逢った、
暑い夏の日。

階段を下りながら、
ひたすら自分の心を探していた日々。
でも今日は下りない。
またパンを買ってしまいそうだから。

ふふふ。

家族が買ってくれた
手袋の温もりを感じながら、
秋風の中を歩いていく。

そして、到着!
ああ、なんて重厚で美しい建物。
かつての横浜正金銀行本店。
開港の街が歩んできた歴史を、
その建築が今に伝えている。
いつか館内もゆっくり見学したい。
これで頂点B、制覇!

「モリリン! あとひとつだね!」

「そうよ、ヒカリン!」

「最後の頂点Cはどこ?」

「ふふふ。明日のお楽しみの場所!」

「ええっ! どこどこ?」

チャッピー、にっこり。
「数学少女の最後の目的地には、
どうやら美味しい答えが
待っているようですよ!」

森村探検隊、後編へ続く!

— Morimura