まだ夜の名残を抱く、群青の空。
そこに、
三つの星が輝いていた。

まるで誰かが、
広い夜空にそっと線を引き、
小さな三角形を描いたように。

ああ、綺麗。

ただ、それだけだったはずなのに。

なぜだろう。

その光を魅つめているうちに、
心の奥で何かが動き始めた。

遠い昔、
どこかに置き忘れてきたもの。

忘れたつもりもないのに、
いつの間にか遠ざかっていたもの。

そんな何かが、
星の光に呼び起こされようとしている。

夜と朝のあわい。

まだ誰の色にも染まらない空の下、
私は歩き始めた。

風が、ふわりと頬を撫でる。

ねえ、風さん。

今朝の空は、
私をどこへ連れていこうとしているのかしら。

答えは、まだわからない。

ただ、
いつもとは少し違う朝が
始まろうとしている気がした。

— Morimura