おはようございます。

いつもの時間に目を覚まし、
朝ウォーキングへ出かけた。

外に出ると、今日も朝から
生ぬるい空気が漂っている。
肌にまとわりつくような湿気に、
蒸し暑い一日になりそうな予感がした。

歩き始める前には、
いつものように
ウォーミングアップのストレッチをする。
大きく胸を開き、ゆっくりと空を見上げた、
その瞬間だった。

建物と建物の隙間に、
一昨日の朝、私の心を大きく揺さぶった、
あのピンクゴールドの輝きが見えた。
もしかしたら今朝も、
あの感動にもう一度出逢えるかもしれない。
そう思った途端、胸が高鳴った。
はやる心を抑えきれないまま、
いつもの道をたどることも忘れ、
足早に、ただ真っすぐ港へと向かった。

港へ近づくにつれて、
海から届く心地よい風が、
そっと私を包み込んでいく。
前へ、前へと足を進めるたびに、
風はさらに大きくなり、
全身を撫でるように吹き抜けた。
なんとも言えない心地よさだった。
まるで海が、「早くおいで」と、
私を誘ってくれているように思えた。

海からの風。
空を染めるピンクゴールドの輝き。
そして、光を映しながら、
ゆらゆらと揺れる水面。
早く見たい。

早く、早く、あの景色に逢いたい。
胸の高鳴りに急かされるように、
私の足は自然と速くなっていった。
ドキドキしながら、
赤レンガ倉庫の前を海へ向かって歩いていく。
いつも写真を撮る、あの柵の方へと歩いた。

空は見えているのに、
倉庫の建物がちょうど視界を遮って、
肝心の日の出の姿はまだ見えない。
けれど、その「見えない」感じが、
かえってよかった。

この先、建物の端まで歩き切った瞬間に、
どれほど美しい光が目の前に広がるのだろう。
きっと、思わず息をのむほど
素敵な輝きに違いない。

あと15メートルほどだろうか。
高鳴る鼓動に胸はドキドキし、
期待に心はワクワクと踊っている。
建物がふっと途切れたその先に、
どんな空の姿が待っているのだろう。
早く見たい。
一歩進むごとに、
その想いはますます強くなっていった。

そして、赤レンガ倉庫の前を通り過ぎた瞬間、
目の前に広がったのは、
どこまでも続く空と海だった。
海から吹く風に迎えられるように、
私は朝の神秘に包まれた世界へと
足を踏み入れた。

一昨日のような、
ピンクゴールドの光が
空いっぱいに乱舞する華やかさは、
今朝にはない。
けれど、そこにはまた違う美しさがあった。

朝の空に浮かぶ、真っ白な雲。
そして、太陽の光にそっと染められた、
ピンクゴールドの雲。
同じ空に浮かびながら、
まったく異なる色をまとった二つの雲。

その対照的なコントラストが、
今朝はとても美しく見えた。
相対する二つの雲が浮かぶ空を見上げながら、
私の今日という一日も、
こんなふうに素敵な色に
染まればいいと思った。

今日お逢いするあなたの光に染められて、
私はいったい何色に輝くのかしら。
そんなことを想いながら
朝の光を全身に浴び、
これから始まる出逢いに
胸をときめかせていた。

7月16日、木曜日。
まだ何色にも染まっていない朝の光の中で、
これから幾つもの彩りをまとっていく
私の一日が、
静かに、そして美しく幕を開けた。