帰り道、神社に立ち寄ってお参りをした。
願ったのは、いつも横浜中華街の
媽祖廟や関帝廟で祈っていることと同じ。
家族みんなが、今日も一日、
無事に幸せに過ごせますように。
お参りを終えると、
境内のベンチに腰を下ろし、
写メ日記を書いた。
最後に、線香の香りを体いっぱいに浴びて、
神社をあとにした。
耳元では、『星空のディスタンス』が
流れていた。
「激しい風が心に舞う」歌詞が表す思いとは、
少しニュアンスが違うのかもしれない。
けれど、今の私の心に吹いている激しい風は、
決して逆風ではない。
背中を力強く押してくれる追い風だ。
さあ、今日も頑張ろう。
家のことを頑張る。
会社へ行って頑張る。
そして、お店に出勤して頑張る。
そんな前向きな意欲に、
心を大きく揺さぶられながら家路を急いだ。
今日は10時に会社へ出社する予定だ。
あまりゆっくりはできないけれど、
家族と囲む、
しばしのお別れ前の朝ごはんを大切にしたい。
ここ二日間は、家族の運転練習に付き合い、
そのままカフェでモーニングを食べた。
だから今朝は、
温かな家庭料理を並べて、
家族と食卓を囲みたいと思った。
まずは、お風呂に入っている間に
なすびを焼いておこう。
焼きなすは時間がかかるから、
先に火にかけておけばちょうどいい。
お風呂から出ると、
なすびはいい具合に焼けていた。
なすびは、皮が焦げるくらいまで
しっかり焼くと、つるりときれいにむける。
お風呂に入りながら焼いたとは思えないほど、
今日の焼き具合が
いちばんよかったような気がする。
きれいに皮がむけると、
身を崩さずに取り出せるので、
焼きなすの量まで多くなったように感じる。
それからは、髪を乾かしながら、
着替えながら、洗濯物を干しながら、
ちょこまかとキッチンを行ったり来たりして、
朝ごはんの支度を進めた。
一品作っては、また身支度へ戻る。
洗濯物を一枚干しては、
またキッチンへ向かう。
ちょこちょこと一品ずつ仕上げていくので、
意外と時間はかかる。
それでも最後には、
自分の支度も整い、
洗濯物も干し終わり、
食卓には温かな料理が並んでいる。
その完成形を頭の中に思い描きながら、
いくつものことを同時並行で
進めているつもりだ。
こんな些細なことにも、
あれこれと順序を考え、
計画を立て、
予定どおりに実行していく。
それもまた、私の好きな時間なのだと思う。
さあ、食卓に朝ごはんが並んだ。
焼きなすをはじめ、
ひとつひとつに家族への思いを込めた、
しばしのお別れ前の朝餐にふさわしい、
温かな食卓になった。
「ご飯、できたよ」家族に声をかけると、
「はーい」と、いつもの返事が返ってきた。
その何気ない声が、
朝の食卓に最後の温もりを添えてくれた。
ホッとひと息〜追い風の先に、朝の食卓〜
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