今朝、私の昨日は、まだ終わっていなかった。
いつものようにイヤホンをつけ、
朝のウォーキングへ。
最初に聴くのは、
松任谷由実さんの「埠頭を渡る風」だ。
けれど今朝は、
いつものイントロではなく、
昨夜途中で止まっていた
曲のエンディングから始まった。
昨夜24時に仕事を終え、
月を魅ながら部屋へ帰った私。
そして今朝4時、再び歩き始めた私。
一度は眠ったはずなのに
、昨日の曲の続きを聴いていると、
まるで夜からずっと歩き続けているような、
不思議な感覚になった。
港から吹く、柔らかな風。
強い風。
生ぬるい風。
時折、ひんやりと肌をなでる風。
その風を受けながら、
悲しみも、怒りも、寂しさも、楽しさも、
一つずつ記憶から呼び起こし、
静かに仕分けていく。
まだ私は、昨日の中にいる。
昨日という一日をきちんと終えるために、
胸を張り、凛と前を向いて港へ歩いていった。
やがて、静かな海が見えてくる。
空は淡いピンクゴールドに染まり、
白いベールのような雲の向こうで、
太陽が少しずつ輪郭を現し始めた。
大さん橋の入り口の隙間から、
丸い太陽が見えた瞬間、
とうとう朝の光が
私にその姿を見せてくれたのだと思った。
はやる気持ちを抑えながら、
大さん橋の先端へ続く最後の一本道を進む。
太陽に向かって、
海に向かって、
「おはよう。おはよう」と、
大きな声で挨拶をした。
神々しい光を全身に浴び、
港を渡る風に包まれ、
水面にゆらゆらと揺れる
朝の光を魅つめているうちに、
心の中は静かに空っぽになっていった。
やっと、昨日が終わった。
そして今、新しい一日が始まる。
耳元には、
爽やかで伸びやかな
「ケ・セラ・セラ」の歌声。
風に昨日を預け、
光に今日を託しながら、
私はピンクゴールドの朝の中へ、
静かに歩き出した。
朝のひとり言〜風に昨日を預けて✨〜
勃つねで応援-
-
共有で応援