昨夜の飲みと朝そばでいっぱいになった
お腹を引きずるように、
ゆるりゆるりと一歩ずつ、一歩ずつ
大岡川に向けて歩いた。
は、今日もまた、
二階建てのアパートの
飲食店が連なる前を通って
行こうかと思って歩いていたら、
途中、丸亀製麺のお店を見つけた。
私は蕎麦派なので、
うどんよりも蕎麦の方を好んで食べる。
だから、滅多にうどんは食べないのであるが、
丸亀製麺のコシのあるうどんは好きだった。
表に貼ってあるメニューを見ると、
旨塩冷やしとろろ、というのが
美味しそうだった。
一度ぐらいはうどんのお店にも
行ってみようと思っていた。
もし、丸亀製麺へ行くことになったら、
20年ぶひぐらいに訪れるのではないだろうか。
もう以前行った時の記憶はあまりないが、
麺がコシがあって、
ツルツル、もちもちしていたのだけが
記憶に残っている。
海からの風も気持ちがいいが、
川沿いを歩いて、
街の中を流れる風に吹かれるのも
気持ちがいい。
今、私は短期間ではあるが、
この街で暮らしていることを
しみじみと感じていた。
横浜の街に来た当初、
驚いたのは、
普通に街中にソープランドがあることだった。
これには結構驚いたものだ。
そして、以前借りていた
ウィークリーマンション、
いつも裏の方から出入りしていたんだけど、
細い路地ではあるが、
そこは全国有数のヘルス街で、
親不孝通りと呼ばれている通りらしかった。
いつも裏口のドアを開けて、
その通りに一歩足を踏み出すと、
狭い路地だから
向かい側にあるお店の前に立つ
男性と目と目が合ったものだ。
それを何度も繰り返しているうちに、
お互い顔を覚える。
会釈を交わす程度だった。
そんなことをお客様に話しながら、
「でも私って、
一度もスカウトされたことないのよね」
とジョークを言うと、
お客様は笑いながら、
「ハコは若い子ばっかりだから」
とおっしゃっておられたのを思い出した。
そのヘルス街にも、
いっぱい店が並んでいるが、
ヘルスばっかりだと思っていたら、ところどころにソープランドがあった。
ソープランドは、
なぜか入り口の趣が少々豪華だった。
今ではその道を歩くこともほとんどなくなったけれど、大岡川から吹く風に誘われるように、そんな懐かしい記憶が静かによみがえってきた。
今は、あまり通ることもないが、
そんな懐かしい記憶が呼び起こされた。
そこに誘われるように、
少しだけ遠回りをして、
久しぶりにあのヘルス街を通って帰った。
そのおかげもあって、
今日の成果は15,000歩を超え、
歩いた距離も10キロを超えていた。
数字を魅つめると、
いっぱいだったお腹を引きずりながらも、
よく歩いたものだと、
じんわり達成感が湧いてくる。
大きく深呼吸をして空を見上げると、
ドン・キホーテの「驚安の殿堂」の看板が、
いつものように「光の伝道」
と書かれているように見えた。
さあ、今から熱いお風呂にゆっくりと浸かり、 たくさん歩いた体を解き放とう。
今日もまた、私だけのオアシス時間が始まる。
ホッとひと息〜風に誘われ、記憶の路地へ〜
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