お客様が早めにご入室されたようなので、
私も予定より少し早くホテルへと向かった。

日傘を差して歩いているけれど、
外は息苦しくなるほどの暑さ。
吹く風さえ熱を帯び、
大通り公園の木々の下にも、
今日は涼を感じる隙がない。
早くホテルのお部屋に入りたい。

そう思いながら歩みを進め、
今日、最初のドアの前へとたどり着いた。

インターホンを鳴らすと、
お部屋の中から聞こえてきたのは、
明るく軽快なお声。
ドアが開くと、優しい笑顔が素敵なあなたが、「よろしくお願いします」と、
丁寧に迎えてくださった。

ソファに横並びに腰掛け、
自己紹介を兼ねて交わした会話が、
とても楽しかった。
何を話しても自然と言葉がつながり、
初めて逢ったとは思えないほど、
すぐに打ち解けていたような気がする。

これから始まるあなたとの素敵な時間を
予感させるような、
しっとりと心ほどけるプロローグだった。

そして、一緒にお風呂へ。
向かい合い、
互いのぬくもりを確かめるように
触れ合いながら、
甘いお風呂時間を楽しんだ。

そのまま、ふたりでベッドへ。
「どこか一か所に触れられているだけで、
もう全身で感じる」
そうおっしゃるあなたに、
私は少しずつ、少しずつ、
優しく触れていった。

そっとお顔を覗き込むと、
あなたが心地よさそうに
感じてくださっていることが伝わってくる。
その表情を魅つめているうちに、
いつの間にか、
それが私の喜びにもなっていた。

そして、あなたからのお返しも、
とても素敵だった。
優しく、温かく触れられ、
あなたの胸の鼓動を感じながら、
その腕の中に包まれていく。
身も心も預けられるようなぬくもりに、
私もまた、深い喜びを感じていた。

その後は、寄り添いながら、
いろいろなお話をした。
お仕事のこと。
出張先での出来事。
好きな食べ物のこと。
どんな話題を選んでも、
不思議なくらい会話が弾み、
あなたとはとても気が合う。

言葉を交わすたびに、
互いのことを
少しずつわかり合えていくような気がした。
あなたとの距離が、一歩ずつ近づいていく。
そのことが、とても嬉しかった。

そして最後に、
話が合い、気も合う理由までわかった。
「やっぱり、だから気が合うんだ」
そう思えたことが、さらに嬉しかった。
あなたの心へ、
もう一歩近づけたような気がして、
胸の奥には温かな余韻が残っていた。

ホテルを出ると、
外はまだ厳しい暑さのさなかだった。
けれど、待機所への帰り道、
あなたと過ごした時間を思い浮かべながら、
外で写メ日記を書いていると、
ふいに風が私のところへ戻ってきた。

その風は、まるで私を呼ぶように近づき、
そのまま私の全身を
やさしく包み込んでくれた。
あなたとの時間にときめいた私の心を、
さらにふわふわと磨き、
輝かせてくれているようだった。

風が私を呼び、
風が私を包む。
あなたと過ごした余韻とともに、
爽やかな風に抱かれながら、
私は少し夢心地のまま、
待機所へと戻っていった。

また、逢いに来てくださいね。
今度は今日よりも、もう少し近くで。
あなたとの続きを、楽しみに待っています。