待つというのは、
少しだけ切ない。

まだ鳴らない知らせに
何度も心だけが振り向いて、

開かないドアの向こうに
まだ見ぬあなたを想っている。

どんな声だろう。
どんな笑顔だろう。

それとも、
もう知っているあなたが
ふいに逢いに来てくれるのだろうか。

時計の針は進んでいるのに、
あなたを待つ時間だけが
ゆっくり、ゆっくり流れていく。

窓の向こうでは
夏の光が揺れて、
風がどこかへ急いでいる。

ねえ、風。

もしあなたを見つけたなら、
ここで待っていると
そっと伝えて。

ほんの少しだけ、
逢いたくなっている、と。

今日、
私のために開くドアは
あといくつあるのだろう。

その向こうにあなたがいることを、
少しだけ夢見ながら、

私はここで、
静かにあなたを待っている。