自宅に帰り、朝ごはんの続きをした。

帰った日の朝は、いつも家族が
目玉焼きを作ってくれている。
今朝も食卓には、
目玉焼きと、里芋とイカの煮物、
それにワンタンスープが並んでいた。

いつもなら、
私が用意することの方が多いから、
こうして誰かが作って
待っていてくれる朝ごはんは、
なんだかとても嬉しい。
華やかなご馳走ではないけれど、
ひと口食べるたびに、
「ああ、帰ってきたんだな」と思う。
家庭の味がした。

そんな続きの朝ごはんを終えると、
今度はキャリーケースの荷物を片づけながら、
同時に次の旅立ちの準備を始めた。
今日から、西の方へ一泊の出張。
ほとんどの用意はできているけれど、
まだホテルの場所を確認したり、
晩の飲み会のお店を
調べたりしなければならない。

前もってやっておこうと
思っていたのだけれど、
結局、そこまで手が回らなかった。
だって、お店に出ている時は、
時間さえあれば寝ているのだから。
それも、私にとっては大切な睡眠貯金。

だから今日こそ、
残っていることを片づけたら、
13:00過ぎに家を出るまでの間に、
せめて2時間くらいは眠りたいと思っている。

自分の洗濯を終え、
ベランダへ出て洗濯物を干した。
外は、朝から容赦なく暑い。
ほんの少し外にいただけなのに、
肌にはじんわりと汗が滲んでくる。

こんな暑い日は、冷たいざるそばが食べたい。
いや、
ただのざるそばではなくて、
上に鰻の蒲焼きをのせた、
うな重そばがいいかな。
そんなことを考えていた、その時。

「あ、そうだ」またひとつ、
忘れていたことを思い出した。
今日の出張から帰ってきたら、
明日は、そのまま11:00から
会社の会議に参加しなければならない。
ということは、
その時に使う資料も、
今のうちに用意しておかなくてはいけない。
月曜日になれば、きっと朝からバタバタする。
悠長に資料を準備している時間なんて、
たぶんない。

ひとつ思い出せば、またひとつ。
時間があると思うと、
頭の奥にしまい込んでいた
細々とした用事たちが、
「私も忘れないで」
「こっちもまだよ」
と、次々に顔を出してくる。

こうして考えていると、
せっかく確保したはずの2時間の睡眠貯金が、
少しずつ削られていくような気がしてきた。

もしかすると、
13:00過ぎに家を出るまで、
結局ほとんど眠れないのではないだろうか。
そんな小さな不安に怯えながら、
私はまた次の用事へ手を伸ばす。

でもまあ――なるようになるわね。
全部きっちり終わらなくても、
今日という日は、ちゃんと前へ進んでいく。
ケ・セラ・セラ。
帰ってきたばかりなのに、
もう次の旅立ちの準備をしている。
それもまた、
今の私らしい一日の
始まりなのかもしれない。