今日は今のところ、
14時半までご予約が入っていない。

だったら少しでも早くお店へ行けば、
14時過ぎまで睡眠貯金ができる。
11時半頃から眠れたら、二時間半くらい。
途中でそのことに気づき、
「それなら急がなくちゃ」と、
少しでも早く眠りにつけるよう
慌てて支度をした。

外へ出ると曇り空。
少し涼しげだけれど、
今にもぽつぽつと雨が落ちてきそうだった。
風さんがやってきた。
そして部屋の近くに立つ二本の木も、
「行ってらっしゃい」と
私を見送ってくれているように魅えた。

なんだか風さん以外にも
お友達ができたみたいで、
私、嬉しいな。
一つは、名前を教えてもらった木。
もう一つは、
本当の名前を取り戻してあげた木。
部屋を出るときには見送ってくれ、
帰ってくれば迎えてくれる。
いつの間にか二本とも、
私にとって「知っている木」から、
癒しの木になっていた。

そうして歩きながら、
もう一つ気になっていたことがあった。
ここ数日、
小腹が空くとゴロンと横になりながら
食べているお気に入りのカレースナック。
軽い食感なのに、
カレーのパンチがピリッと効いて、
なかなかおいしい。

暑い夏になると、
なぜかカレーという文字ををよく見かける。
ホテルの朝食でも
「目覚めの朝カレー」なんていうものが
あるけれど、
あのピリッとした刺激は、
眠っている身体を起こして
食欲まで呼び覚ましてくれるような気がする。

ところが、いつものコンビニでは売り切れ。
お店の近くのコンビニになかったら、
ちょっとショックだな。
そんな一抹の不安を胸に、コンビニへ入った。
お菓子の棚を見る。
ない。
あら……。
曲がった先の棚も覗いてみる。
あった、あった!
しかも、いっぱいある。

なんだ、こっちのコンビニの方が
品揃えがいいじゃない。
どうせお店へ行ってから食べるのだから、
今度からこっちで買うことにしよう。

今日は一日、雨模様の予報だったので、
久しぶりに折りたたみ傘ではなく
ビニール傘を持ってきた。
雨は降ってほしくない。
でも、せっかく持ってきたのだから、
ほんの少しくらい
活躍の場があってもいいかな。
なんとも勝手なものだ。

そして、お店へ。
「それじゃあ風さん、私、行ってくるわね。
14時過ぎまでは寝ている予定だから、
待っていても退屈でしょう。
どこか遊びに行ってきてもいいよ」
「じゃあ、そうする」

そう言ったかと思うと、
風さんは足早にどこかへ駆け抜けていった。

あら、行っちゃった。
まあ、いいか。私はこれから睡眠貯金。
風さんは、しばし自由時間。
しっかり眠って心と身体を整えたら、
14時半から、
朝の空に浮かんでいた最初の雲の扉が開く。
さあ、それまでは――私も風さんも、
それぞれの場所で充電時間。